主人公プロフ
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だ。中には最前線でバリバリに活躍している人間だって来る。栗色の髪の少女なんか、この世界では屈指の有名人だ。そして、やってくる人間は時々増える事もある。
例えばそう、俺の事を真正面から見て感心したような顔をするおじさんもそうだ。
今日は初めてのエリアでの演奏だったから客が来ない可能性も考慮していた。客が来ないならばそれはそれでいつもと違う歌を歌ったりして意義を見出すが、見知らぬ客がたった一人で正面に陣取るというのはなかなかない光景だ。
〜〜♪ 〜〜♪
やがて歌も終わり、おじさんから拍手が送られる。
見た所結構な重装備だ。真赤な鎧に白いマント。
たしか栗色の髪の子が所属してる「血盟騎士団」の装備だったと記憶している。
ということは、このおじさんもかなり腕利きの攻略組ということになる。
「いや、見事な演奏だった。もしやとは思ったが、スキル無しでの演奏とは恐れ入る」
「ん・・・知り合いにも似たようなこと言われたよ。しかし・・・」
知り合いはかなりのSAO通であるのに俺が言うまでスキル無使用の事実には気付かなかった。
しかしおじさんはたった1曲聞いただけでそのことを見抜いたようだ。大した洞察力である。
そんな俺の考えが顔に出ていたのか、おじさんは小さく微笑む。
「普通の演奏ではミスかブレとシステムに認識されるであろう音を巧みに使って強弱をつける、か・・・・・・なるほど、その強弱で音が変わるようエンジンを組んだ茅場晶彦もだが、実際にそれをやる君も大したものだ」
「別に現実世界と同じことやってるだけなんだけどなぁ。そんなに難しい事か?」
「フム・・・そこは個人差があるかな」
おじさんが顎を撫でながら説明を始める。喋るのが好きな人のようだ。
「楽器演奏スキルとて熟練度をカンストさせれば、実は同じことが出来るようになる。だが、楽器演奏スキルが演奏の出来ない人のためにあると考えれば、元からそのような強弱をつけられる人間には演奏スキルは不必要だ」
「つまり、演奏できない奴が演奏気分を味わえるように演奏スキルがあると?」
「スキルはどれも、熟練度を上げるためには相応の努力をしなければいけない。その努力の過程をゲーム的に捉えるか、神経に蓄積される記憶と考えるか・・・・・・違いはそこにしかない。しかし――茅場晶彦はしくじったかもしれないな」
「?」
ばつが悪そうな顔をするおじさんに首を傾げる。
何故そこでGMの名前が出てきたのだろうか――そう思った俺の疑問もまた、察したようにおじさんが答える。
「いや、演奏スキルが発生条件になっているイベントやクエストというのもSAOには存在するのだが・・・そうか、彼はきっと『音楽の演奏をしている人ならば演奏スキルを取るだろう』と安直に考えてしまっていたらしい」
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