第6章 流されて異界
第99話 オマエの物は俺の物?
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……と言葉を続けた。
成るほど。一応、高校生なのですから、遊んでばかりも居られない……と言う事ですか。少しばかり感心をした表情で不満げな顔をこちらに見せて居る少女を見つめ返す俺。
もっとも、赤点を取ったら冬休みに補習が余分に組み込まれて、その分、遊ぶ時間が少なく成る、などと言う理由が本当の理由なのだと思いますけどね。
まぁ、どちらにしても――
「ちょっと、判って居るの。これはあんたに言っているのよ!」
――これは自分には関係ない。ぼんやりと、本当に他人事のように考えて居た俺の鼻先に人差し指を突き付けて、そう騒ぐハルヒ。
鼻先に突き付けられたその指をやや寄り目にしながら見つめる俺。
……と言うか、
「ちょい待ち。そもそも、俺はオマエさんの作った同好会や、文芸部にも関係のない今日転校して来たばかりの転校生やないか。それが、何でオマエさんに試験の結果をどうのこうのと言われなアカンのや?」
まして、俺は先月まではハルケギニア世界のガリアで王太子の影武者を演じて居たから、真面な高校の授業など受けて居ませんよ。
最後の部分は流石に実際の言葉にする事が出来ずに、自らの内でのみ泣き言を口にする俺。
それで……。
確か、この高校の偏差値は中の上。俺が通って居た高校と同程度と考えて良い……と思う。もしかすると若干、俺が通って居た高校の方が上の可能性が有るけど、進学熱が都会の方が高いはずだから、そう変わりはないはず。
……と言う事は、去年。高校一年生の二学期の学期末試験で貰った赤点は存在しなかったので、元々俺が暮らして居た世界と同じような軌跡を辿ると仮定すると、この部分に問題はない。
……はずなのですが。
ただ、俺の成績は一教科のみ超低空飛行を続けて居たので……。
更に、今年の四月以降、地球世界の高校生程度の勉学には一切、関わって居なかったと言うハンデも有りますから……。
「その点は心配ないわ。顧問の甲斐先生には許可を貰って有るから」
そう言いながら、二枚の折り畳まれた用紙をカーディガンの右ポケットから取り出し、俺に差し出す。
それは……。
「文芸部への入部届と、同好会への入会届」
寄り目にしたり、急に突き出された用紙に焦点を合わせたりと、妙に目を酷使しながらも、その差し出された用紙にざっと目を通す俺。
尚、その両方の入部届には何故かきっちりと俺の名前が書かれていたのですが。
成るほど。綾乃さんの意図は理解出来ました。綾乃さんの意図とは、つまり水晶宮の意向と言う事。もっとも、彼女の意図が俺の意志の向こう側にあるのは事実。
それならば、
「ハルヒ。これは私文書偽造と言う罪に当たると思うけどな」
簡単に受け入れても問題がないよ
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