マクロスF
0739話
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「何から告げるべきか。まずはそうだな、これからか。俺はこの世界の人間じゃない」
「……え? どういう事? フロンティア船団で生まれた訳じゃ無いってのは以前聞いて知っているけど」
俺の言葉に首を傾げて尋ねてくるシェリルに、首を左右に振って説明を続ける。
「違う。このフロンティア船団の生まれじゃないという意味じゃなくて、正真正銘俺はこの世界の人間じゃない。そうだな……異世界、並行世界、パラレルワールドといった世界からこの世界にやって来た」
「あのね、アクセル。今はそんな冗談を……」
言葉を続けようとしたシェリルの目の前で空間倉庫を展開し、紙パックに入った果汁100%のリンゴジュースを取り出す。
空間に空いた穴とでも言うべき場所からリンゴジュースを取り出した俺に、シェリルの目が驚愕に見開かれる。
「ア、アクセル……今、そのリンゴジュース……どこから取り出したの?」
「俺の持っている力の1つで、空間倉庫という能力だ。この世界、マクロス世界では考えられない能力だろ? ほら、かなり汗を掻いていたからな。少し水分補給でもしろ」
そう告げ、リンゴジュースをシェリルに手渡す。
本来なら冷たいのではなく常温のリンゴジュースがシェリルの体調的にはいいんだろうが。
そんな風に思っていると、恐る恐る紙パックにストローを刺して口へと含み……
「お、美味しい……これ、ギャラクシー船団は元より、フロンティア船団でも初めて飲む味よ? 果汁100%なんて、紙パックに入れて気軽に売れるような代物じゃないのに」
まぁ、このフロンティア船団は一応農業とかもやっているけど、基本的には天然物はそれだけ高価だ。以前シェリルが持ってきてくれた果物の詰め合わせだって値段的に考えればかなりのものなのだから。
「ちなみに、こんなのもあるけど……飲むか?」
次に空間倉庫から取り出したのは、綾瀬お勧めの紙パックジュース『マグロの生クリームエキス』とかいう代物だ。……貰ったのはいいけど、とても飲みたくなるような名前のジュースじゃないよな。……ジュース? いや、この場合は呪いの巣的な意味で『呪ー巣』と表現した方がいいのかもしれない。
案の定、シェリルも紙パックに書かれている名前を見て盛大に眉を顰める。
「嫌よ、そんなの。見るからに不味そうじゃない。って言うか、毒よ毒」
「いや、その毒を好んで飲むようなマニアックな奴もいるんだけどな」
苦笑を浮かべつつ、手に持っていた危険物は空間倉庫の中へと戻す。
シェリルの調子も大分戻っているようで何よりだ。
「で、アクセルが異世界人だって話だけど……なら、なんでここに、えっと、マクロス世界って言ってたわね。このマクロス世界にいるの?」
「次元転移装置の……そうだな、操作ミス
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