マクロスF
0739話
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れでも俺にとって救いなのは、シェリルの目に恐怖の類が無い事か。
「これが混沌精霊としての俺の姿だ」
「その、羽とか尻尾とか角とか……本物なの?」
「ああ、見ての通り俺の意志で自由に動かせる。……角を動かすのはさすがに無理だが」
竜尾を伸ばし、先端をシェリルの近くまで移動させると、指で突いて竜尾が偽物ではない事を確認する。
「他にもこんな事が出来るぞ」
指を白炎に変化させ、そこから炎獣を作り出す。
リスや小鳥、あるいは子犬や子猫といった姿を与えられた炎獣が、部屋の中を所狭しと走り回る。
「きゃっ、こ、このっ!」
リスの炎獣がシェリルの身体を駆け上がり、小鳥の炎獣がシェリルの肩へと降り立つ。
炎獣は作り出す時に炎の温度を30℃程度にしてあるので、触れても問題は無い。
そんな炎獣とじゃれているシェリルを見ているのも楽しかったが、このままでは話が進まないと指を鳴らして炎獣を消滅させる。
「見ての通りだ。他にも魔法が使えるが……まぁ、それは今回はいいか?」
「え? 魔法は見てみたいわ」
「話が全部終わってからな」
全く……まぁ、炎獣のおかげで元気が出て来たのは良かったと言うべきだろう。
「とにかく、まだ色々と話してない内容はあるが……俺が元人間で、現在は人間じゃないってのは理解したか?」
再び指を鳴らして全身を白炎で包み、15歳の外見へと戻る。
俺本来の姿は20代の方なんだが、もし何かあって誰かがこの部屋に来た時とか困るし。
「そうね。さすがにこんなのを見せられたら信じざるをえないわ。けど、それがどうかしたの?」
この辺、さすがにシェリルといったところか。俺が人間じゃないと言われても全く驚いた様子や、忌避するようなところがないのは好感が持てる。
「俺の種族、混沌精霊っていうんだがな。この混沌精霊には1つの特徴がある」
「特徴? 魔法が使えるとか?」
「いや、魔法は俺が混沌精霊になった世界じゃ珍しいものじゃない。才能の大小はあれど、誰にでも習得出来る。特徴って言うのは……気や魔力といったものを使った攻撃じゃないと、俺にダメージは与えられないんだよ。物理的な攻撃に関しては、ミサイルだろうが弾丸だろうが、それこそ試してはいないが恐らく反応弾ですらも効果がないだろう。……これが何を意味しているか分かるか?」
俺のその言葉で、半ば言いたい事を理解したのだろう。シェリルは目を大きく見開きながら視線を向けて来る。
そのシェリルに近付いていき、そっとストロベリーブロンドの髪を撫でながら、顔を近づけて唇を重ねる。
先程とは違い、軽く接触するだけのキス。そのまま唇を離し、何かを言おうとしたシェリルの唇を再び塞ぐ。
そんな事を数回繰り返し、ようやくキスを
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