第3話〜自由行動日〜
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き込んでしまって。
けど、誰からかぐらい事前に言っておいてくださいよ」
「ごめんごめん。でも、君の事、ずいぶん心配してたみたいよ。相当な別れ方でもしたのかしら?」
「まぁ、否定はしませんけど・・・もう、誰にも迷惑かけたくないですから」
「君のところの大尉がメーワクだって言ったの?」
「それ、は・・・」
言葉を詰まらせるケインに対して「君はもう少し周りに頼ることを覚えなさい」と助言したサラ教官はコーヒーの礼を言いながら去ろうとしたが、突如としてケインの腹が鳴った。
「・・・ぁ・・・・」
「ぷっ、あはははは!」
「ちょ、わ、笑わないでくださいよ!!」
「・・・あ〜お腹が痛い。こんなに笑ったのは久しぶりね。
ま、あたしもまだだし丁度良いわ。お姉さんが奢ってあげる」
「いや、悪いですよ。自分で作りますから」
「人の好意は素直に受け取っておきなさい。それが頼る第一歩なんだから。
・・・それともあたしとじゃ嫌かしら?」
再び言葉を詰まらせるケインに脈ありと考えたサラ教官は、彼の片腕を強引に引っ張って
寮の外へと強制連行を開始した。肘のあたりに何やら柔らかい感触が伝わってくるが、頭の中で円周率を延々と並べて思考をクリアにする。
「ケインに・・・サラ教官。これからどちらへ?」
「あら、マキアス。ふふん、お姉さんはこれからケインとお忍びのデートよ」
「誤解を招く言い方しないでもらえますかね・・・」
一階に着くと、寮に戻ってきたマキアスと会い、彼の問いに対して早速問題発言をするサラ教官に(顔には出さないが)声で怒りを露わにする。
「そうでしたか・・・どうか末永くお幸せに」
「マキアス、君は何か盛大な勘違いをしている。お、おい!待ってくれ、マキアス!
・・・マキアァース!!」
サラ教官のジョーク発言を真に受けたマキアスは、掛けている赤ぶち眼鏡のブリッジを押し上げ、それ以上何も言うことなく二人の横を通過していく。寮内に響き渡るレベルのケインの叫びももはや聞こえていないようだった。後日、マキアスに弁解するためにケインがかなりの時間を要したのは、語るまでもないことだろう。
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