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閃の軌跡 ー辺境の復讐者ー
第3話〜自由行動日〜
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とがあった。

「エリオット、俺たちを殺す気!?」

「ご、ごめん。二人なら避けてくれると思ったし・・・次からは気を付けるよ」

「まぁ、いいけどさ。それより、戦術リンク。まぁまぁコツが掴めてきたな」

「ああ、どうやらアークスを通じて呼吸を合わせる感覚みたいだな」

「悪くない感覚だ」

戦術リンクについて各自感想を述べるが、ラウラが無言になってしまっている。
ケインが「どうしたんだよ?」と言っても「な、何でもない」と言って彼から顔を背けてしまう。一同の中で疑問符を浮かべているのは、おそらくケインただ一人だ。

「あはは、ラウラも女の子ってことだよね。あんなにしおらしいところは初めて見たよ。
 まぁ、ケインはルックスだけでも人気が高いみたいだし、仕方ないかなぁ」

「エリオット・・・そこに直るがよい」

「ひ、ひいぃぃッ!ごめんなさい!」

鬼の形相でエリオットを睨むラウラにすかさず謝るエリオットだが、怒りは収まらなかったようでリィンがケインを投入する。ラウラは黙り込んでしまい、ケインは嫌われたと肩を落とし、その光景を見ていたリィンは少し申し訳なさそうに視線を彷徨わせ、ガイウスは無言で慈愛に満ちた温かい目を向けていた。騒動は案外早く終わり、旧校舎から抜けると黄昏が見えた。夕刻になったようで、依頼主であるヴァンダイク学院長へ事態の報告をするために本校者一階へと向かう。用事があったのかサラ教官も居合わせていた。旧校舎の状態をリィンが報告すると、地下の構造が変わっていたことが予想外であると言い、少々顔が険しくなる学院長。エリオットが旧校舎の由来について尋ねると、設立前からあって、数百年以上前、中世の暗黒時代のものであるらしい。大崩壊と呼ばれる謎の文明崩壊後、約500年続いた戦乱の時代だ。だが内部構造の変化は前代未聞の話らしい。サラ教官も暇があれば調べてみると学院長に言う。暇ってあんた飲酒してるぐらいなら調査できたんじゃないのかよと思うケインだったが、口には出さない。

「シュバルツァー君、ロウハート君。クレイグ君にアルゼイド君、それにウォーゼル君も。
 ご苦労じゃったな。本当によく調べてきてくれた」

「いえ・・・力になれたのなら幸いです」

「奨学生ですからね。これぐらいしか返せるものがありませんが」

「あはは・・・頑張った甲斐がありました」

「お役に立てたようで何よりです」

「・・・失礼する」

学院長の感謝を受けて軽く挨拶をし、サラ教官共々退室した。旧校舎の鍵はリィンが預かることになり、ついでに成り行きで引き受けた生徒会の仕事も継続して手伝うことになったらしい。仕事を押し付けた主であるサラ教官は、気が向いたらみんなで旧校舎を様子見してきてちょうだいと言って颯爽と去って行った。

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