第3話〜自由行動日〜
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てそうだよね」
「違うんだ、エリオット。これは・・・」
「いい風が吹いたようだな」
「狙ってやったみたいな言い方やめてもらえます!?」
「ケイン。その、何と言ったらいいか・・・」
「もう、何も言わないでくれ・・・そして、他の誰にもこの事は言わないで欲しいんだ」
力なく項垂れるケインにそう言われたリィン達は、その言葉に黙って頷くしかない。そしてしばらく放心状態だったラウラが覚醒すると、ケインは再び謝り、探索を再開した。その際にあった何度かの戦闘も、戦術リンクを何とか駆使して切り抜ける。さしたる苦労もなく最奥にたどり着くと、また扉が出現していた。
「前のような化物がいる可能性があるから警戒していこう」
「了解!」「分かった!」「「承知!」」
先の危険性を推測してケインが警戒を促し、4人は気遅れした様子もなく了解する。扉の先の広間に入っていくと、待っていたと言わんばかりに大型の魔獣が中央に出現した。毛深く強靭な四肢で、頭には2本角が生えており、鬼とも悪魔と形容できるその魔獣は、二足歩行で襲いかかってくる。予想よりも速い動きを見せたその魔獣にケインは黒剣を抜いて肉薄する。豪腕の振り回しを紙一重で躱して足に斬撃を浴びせた。
「・・・そこだ!」
一時的に体勢を崩された魔獣に接近していたリィンがすれ違い様にもう一方の足を一閃。
両足にダメージを負った魔獣は、唸り声を上げてケインに裏拳を繰り出すが、ケインはそれを跳躍して避け、通過したところでその腕を根元から断ち切った。ケインとリィンは距離を取り、片腕を失った魔獣は立ち上がる。ガイウスが中距離から槍を構え、一突きすると渦巻く風が直線上に放たれた。恐るべき反射神経でそれを避け、一陣の風は魔獣の腕を掠めるに留まる。魔獣に対してラウラが大剣を豪快に上空から振り下ろすが、剛腕に受け止められる。瞬時の拮抗。しかし、魔獣の口からは黒い煙上のものが漏れていた。
「これは、痛いよ・・・ハッ!」
それに気づいたケインが篭手に烈火の炎を纏わせて跳躍し、魔獣の顔にアッパーカットをお見舞いする。短い呻き声とともに後方にひっくり返る魔獣と着地するケインにラウラ。その時、「二人とも、避けて!」と言う声が聞こえた。水流が自分たち目掛けて流れてきたた刹那は唖然としたが、ケインは咄嗟の判断でラウラを抱きかかえて離脱。着地して見えた光景は、水流を叩きつけられ、壁に激しく衝突して消滅する魔獣の姿だった。
「ラウラ、大丈夫?」
「う、うむ。そなたに感謝を」
抱えていたラウラを下ろし、安否を尋ねるケイン。ラウラは少々赤くなった頬を隠し、ケインの顔を見ずにお礼を告げる。先ほどの己が愚行で嫌われてしまったかと思うケインだったが、それよりもまず言っておかなければ気が済まないこ
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