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閃の軌跡 ー辺境の復讐者ー
第3話〜自由行動日〜
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完全に変わっている。困惑を隠せないが、学院長の依頼は旧校舎の異変の確認で、こんな状況を捨て置けないというリィンの提案で探索を始めることにした。奥に進んで間もなく魔獣が視界に入る。見たところナメクジ型の軟体魔獣で以前とあまり変わらないようだが、背に夥しい数の触覚を有しており、多少の凶暴化が窺えた。

「アークスの戦術リンクを試してみないか?」

ケイン達が遠巻きに魔獣を眺めているとリィンがそんな言葉を口にした。

「それはいいな。おそらくはそれが今後のキーになるはずだし」

「どういうことだ?」

「まずサラ教官が武術担当の教官だから来週水曜の実技テストは軍事演習の一環だと推測が可能。そし て軍人に求められるのは集団戦。阿吽の呼吸で戦闘ができれば、評価も高くなるはずだからな」

「なるほど」

「さらに言えば、この依頼を出した目的には旧校舎の異変調査時、遭遇する魔獣と戦闘を繰り返すことによる集団戦闘練度の向上もあるんじゃないのか?」

「ふむ・・・そなたは相当に頭が良いようだな。入学試験も三位だったそうだし」

「いや、俺なんてまだ未熟だよ。それに・・・」

「?ケイン?」

言葉につまったケインにラウラは怪訝な顔を向けるが「何でもないよ、とにかく試そう」と一同に告げ、ケインは戦闘を開始する。彼の指示でリィンが斬り込み、続いてケインが援護射撃をする。リィンとケインのコンビアタックで怯んだところにラウラが大剣の一撃を叩き込む。軟体魔獣は仕返しとばかりにアークスを駆動しているエリオットに突進するが、ガイウスが槍で捌き、瞬く間に肉薄したケインが篭手でアッパーを噛まして宙に浮いた魔獣にエリオットがアーツを発動し、圧縮された水の塊をぶつけると、跡形もなく消滅した。

「上手くいったみたいだな」

「ああ、いい手応えだ」

「・・・ケインとは剣においても戦術リンクを試したいものだ」

「ハハ、機会はいくらでもあるよ・・・ッ、危ない!!」

ラウラの背後から襲いかかってきた同種の軟体魔獣の気配に気づいたケインはラウラを抱えて飛ぶ。その間にリィン、ガイウス、エリオットの三人で片付けてくれた。

「ラウラ、君が無事で良かった・・・本当に良かった」

「ケ、ケイン?ケイン?ケイ、ン・・・」

エリオットを助けられなかったケインは、類似した状況下で今度は救えたと安堵している。ケインは我知らずラウラを抱きしめているが、彼女は突然の抱擁に戸惑い、胸の高鳴りで言葉が弱々しくなっていく。戦闘を終えた三人は珍しいものを見るような目で少しの間眺めていたが、リィンがわざとらしく咳払いをすると、ケインは状況を理解して女神も目を丸くされるであろう速さでラウラから離れる。

「す、すまない!」

「ケインってわざとやっ
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