第3話〜自由行動日〜
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くれた教官には感謝しつつも部の仲間もいるからZ組の担任らしくしっかりして欲しいと言う気持ちがより全面に出てしまい、辛辣な口撃をぶつけてしまったケイン。当のオッサン教官、もといサラ教官と言えば、ろくな挨拶もなしにこちらのテーブルの上のサンドイッチに手を付けている。マイペースすぎる自分のクラスの担任に憤りを感じたケインは、抗議しようとしたが、突然、真正面から教官に抱きつかれる。
「ちょ、離れて下さいよ!(酒臭いし)」
「ふふん、よいではないか〜よいではないか〜」
「あんた、ほんとにオッサンか!!」
「ケインは黙ってれば可愛いのに。ツマミも美味しいし♪あたしのために健気よね〜」
「誰もあんたの為だって言ってないだろッ!?いい加減に、離れて下さい!」
じたばたもがくケインだが、教官の両腕に体をガッチリホールドされて抜け出せないでいる。しかし、ラウラが「ええい、離れるがよい!」と怒号のように言って教官からの拘束を解いてくれる。無理やり引き剥がされたサラ教官は、ジト目で「何よ、ラウラ。嫉妬?」とのたまった。朴念仁気質のケインは、何のこっちゃでござろうかという感じだが、ラウラは耳まで真っ赤にして必死に弁解している。当の教官は、途中から興ざめといった感じで、いつもの含み笑いを浮かべて「ま、頑張んなさい」と一同に告げ、去っていった。
「何だったんだ、今の人は?」
「うちの担任が失礼しましたが、どうかお気になさらず。
あれでも元A級遊撃士なので教官としては優秀なはずですよ・・・たぶん」
「ほう、詳しいな。先のやり取りからしても知り合いのようだが」
「ゆ、遊撃士に憧れていた時期もあったから少し詳しいだけだよ」
はぐらかすように答えるケインに、ラウラは一瞬曇った顔をして「そうか」と言う。
何となく重い空気の中での昼食を終え、部活に戻ろうとしたクレイン部長率いる水泳部だが、ケインのアークスに連絡がかかる。カバーを開いて出てみるとリィンからで、旧校舎の調査を手伝ってくれとのこと。ヴァンダイク学院長からの依頼であるらしく、奨学生であるケインは、恩返しをしたいと思って引き受けた。クレイン部長にそのことを告げると快く了承してくれる。なぜかラウラも同行したいの一点張りだったが、部長はそれも了解してくれた。ケインは彼の気遣いに感謝し、武装を整えてから二人で旧校舎に向かう。そこの扉の前にはリィン、エリオット、ガイウスが立っていた。俺は三人に挨拶し、ラウラも同行することをリィンに告げる。その後、旧校舎に入って正面の扉から地下一階への階段部屋に行くが、奇妙なことに気がつく。オリエンテーリングで石の龍と戦った時よりも広間が2回り以上小さくなっているのだ。その上、奥には無かったはずの扉まであり、向こう側を確認すると、地下の構造が
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