夫になった訳だが……どうしよう?
49話
[3/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
カリギュラとイザナミの間に割り込み、右腕の具足でカリギュラのブレードを受け止めた。
さて、自分よりも硬い物に高速でぶつかれば怪我をするなど言うまでもないが、それは武器同士でも起こり得る事も付け加えさせてもらおう。まぁ要するにカリギュラの右腕のブレードが砕ける……とまではいかないもののヒビだらけになったという事だ。
……残念ながらこちらも無傷とは言えず、いや損害があった訳では無いんだがさっきの攻撃を受け止めた衝撃で身体中が痺れている。さっきのあれ、普通の神機程度でだったら装甲で受け止めても、装甲諸共腕くらい吹き飛ばされそうな威力はあったな。
それは向こうも同じようで動きが若干鈍くなっている。さて、イザナミの言っていた時間まであと五秒……少々小細工を弄させてもらおう。
カリギュラは先程から動きを見せないイザナミに何か勘付いたらしく、再びバックステップで距離を取ろうとするがそうはいかないな。俺は具足のない左腕をカリギュラに伸ばす。
俺の左腕はその殆どがイザナミのオラクル細胞で構成されている、というより俺がそう構成した。本来は何時ぞやのように精神世界に入る事が目的だったのだが、彼女の細胞でできているという事は彼女の能力の一部が使えるという事だ。
つまりは、左腕限定でイザナミの黒い腕と同じようにある程度の距離まで腕を伸ばす事が出来、切断以外に対しての耐性を持っているのだ。
結果、カリギュラの片足を掴みバランスを崩させる事に成功した。
「お疲れ様、私達の勝ちだよ」
イザナミのその言葉と共にカリギュラの左右を囲むように大型アラガミを握り潰せるようなサイズの巨大な両腕が現れ、まるで餅つきでもするかのようにカリギュラ目掛け何度も何度も振り下ろされる。
カリギュラは死にこそしないもの、あの腕による打撃によって全身のオラクル細胞に大きなダメージを負っている。そう長く掛からない内にオラクル細胞の結合に限界に達し、カリギュラとしての原型をとどめる事はできなくなるだろう。それはイザナミも同じように考えているようだったのだろう、俺達二人に一瞬だが明確な隙が生まれた。
カリギュラはそれを見逃さず俺達目掛けてブレスを放ち、その予想外の反撃に動揺した際に動きを止めた両腕からブースターを全開にして逃げ出した。追えない事は無いだろうが……わざわざ追う気にもならんし、あそこまで痛めつけたんだから回復まで当分かかるだろう。別段放っておいても俺達にさしたる害はないだろう。
予想外に手間取ったので若干忘れ気味だったが、元人間のハンニバルは……ん?ハンニバルの懐から誰か出てきたな。
髪は金、瞳は青の見たところ年齢はアリサより下の十四、五歳といった少女だが、その右腕は明らかに人の物ではない。明らかにオラクル細胞に蝕まれ、アラガミの物へと変化している
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ