友人、増えました
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そういうと何も無い空間を掴んでいる手の中に紫の蛇が姿を現す。その蛇はカリナの首元から伸びてきている。
「全く、財布をすった所で中身など入っていないぞ。ダミーだからな」
懐から財布を取り出して中身を見せる。
「空とは私の鼻も鈍ったかな?」
首を傾げているカリナの後ろでローウェルが驚いた顔を見せる。
「いや、カリナ、よく見ろ。中身は空だが、よく見れば財布に使われている革、ドラゴンの革だ!!それも龍王クラスの1ランク下ぐらいの」
「げっ、何でそんな伯爵でも手に入れるのが難しい物をダミーなんかに使ってるのよ!?」
「うん?そんなに稀少な物だったのか?借金のカタに不良退魔師から貰った物なのだが」
「借金のカタって、一体どれだけの借金をしてたって言うのよ。これがあれば人間界でなら100年は豪遊して遊べるものよ」
「ラーメン30杯分」
「「「「ちょっ!?」」」」
ラーメン30杯と交換になったと聞いた全員が驚いて声を荒げるが、寸前に結界を張ったので回りに注目されると言う事は無かった。
「いや、オレも知らなかったからな。と言うかあいつ、いつも金が無いからって色々な物を渡してくるから人間界でのブランドものみたいな扱いをしていたのだが、まさかそこまで高価な物だったとは」
改めて魔法で調べて見ると確かに龍王の1ランク下ぐらいのドラゴンの革で作られている。金属部分も冥界で流通している魔法金属の中で最もランクの高い物を使っている。縫い合わせている糸も現在では絶滅危惧指定されている虫から採れる物で、在庫分しか存在しない。
やばいな。一度あの不良退魔師から貰った物を全て確認した方が良いかもしれないな。だが、詳細は分からない物の方が多そうだな。
「こういう物に詳しい者は居るか?」
「一応そこそこ詳しいわよ。これでもオークション会社の社長だから。なに、もしかして他にも?」
ほう、中々のやり手のようだな。まあ、盗品とかも扱っていそうだが関係ないな。
「そこそこな量が。もしかしたら似た様な物があるかもしれん。出来れば鑑定を願いたい。それからそいつを売りに出したいんだが、買い手は付くか?」
「状態からして新古品だろうから多少値は崩れるだろうけど、多少値段が高くても言い値で買うと言うのはごまんと居るわね。まあ、今度のオークションの目玉に出してみるから、様子を見に来ると良いわ。招待状も送ってあげるから連絡先を教えて貰っても良いかしら」
「少し待て」
髪の毛を一本引き抜き、それを手紙に変化させる。中にはオレの拠点の住所とホットラインの魔術コードを記してある。
「信用しているから渡す。悪用すれば何処まででも追いかけるからな」
「顧客情報を漏らすなんてヘマはしないわ。
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