悪魔の島編
EP.19 S級クエスト解決
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るのだった。
= = =
「帰って来たぞー!!」
「来たぞー!」
マグノリアの街中でナツとハッピーが帰還を叫び、ワタルも正規に受けた物ではないとはいえS級クエストを無事に終えて帰る事ができた事に安堵の息をついた。
「何とか無事に終わったな」
「ああ。無断で受けたと聞いた時はどうなる事かと思ったがな」
「「「「反省してます」」」」
ワタルの安堵に応えたエルザの言葉に、ギルドのルールを破った3人と1匹は間髪入れずに頭を下げる。
あまりの息の合いようと落ち込みように、ワタルはガルナ島を去る前の説教が効きすぎたかと、思い返す。
「S級クエスト達成だーー!!」
「もしかしてあたしたち、『2階』に行けるのかな!?」
「さあ、どうかな……」
つい今朝方のことだ。
エルザが村長と話している間、S級依頼を無事に達成した事ナツ、ルーシィ、グレイ、ハッピーは喜び、顔を輝かせていた。
だが、それはワタルが口を開く前までの事だった。
「さっさとその口を閉じろ」
3人と1匹が冷たさすら感じる彼の声に硬直し振り向くと、そこにあったのは……いつもの温厚さが一分も感じられない程の無表情のワタルだった。ワタルは彼らの反応を意に介さず、怒りを含んだ言葉を放つ。
「自分が何をしたのか、分かっているのか? ギルドの掟に背いただけじゃない、一歩間違っていたら死んでいたかもしれないんだぞ」
魔導士のこなす仕事には危険がつきものだ。S級以上となれば難度が高いだけでなく、死の危険すら付き纏うことになる。
いつになく無機質なワタルの声に、ナツ達は黙り込んでしまう。
「……なぜ、ギルドがS級の依頼を受ける資格のあるものを制限しているか、分からない訳じゃないだろう。あまりこんな事を言いたくないが…………リサーナがどうなったか、忘れてしまったのか?」
「それは……!」
「……リサーナ?」
『リサーナ』の名前が出た途端に、ナツは声を漏らし、唇を噛む。グレイやハッピーもそれは同様のようで、拳を握りしめたり俯いたりしている。ナツの陽気な姿や怒っている姿しか知らないルーシィはその変貌に驚き、初めて聞く名前に首を捻った。
「ルーシィは知らなかったな。2年前……S級クエストに出て、そのまま死んでしまった魔導士だ」
「死……!? でも、S級魔導士しかS級には行けないはずじゃ……?」
「当時はS級魔導士の付き添いなら、普通の魔導士でも受けられたんだ。そして、それ以来、ギルドはS級魔導士以外の魔導士がS級に行くのを固く禁じている」
「そんな事が……」
「ミラジェーンには言うなよ。その時付き添ったS級魔導士、ってのは彼女だ」
「ミラさんが!?」
無表情の
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