マクロスF
0738話
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、それでも聞くか?」
念を押すかのようなカナリアの問い掛けに頷くと、小脇に抱えていた小型のコンピュータの画面を俺の方に見せる。
……って、おい。インプラント処理をしたグレイスへの対策として俺達はこのグリフィスパークの丘で会っているんだろうに。なのに、何故わざわざコンピュータを持ってきているんだ?
そんな俺の疑問が顔に浮かんでいたのだろう。カナリアは笑みを浮かべて口を開く。
「安心しろ。このコンピュータは完全にスタンドアローンで、内部的にも手を入れてある。ネットワーク機能はそもそも存在すらしていない」
「……なるほど」
確かにそもそもネットワーク機能が無ければ、インプラントされている者がどうしようとしても手の出しようがないか。
そんな風に考えながらコンピュータの画面へと目を向けると、そこには『COSMO NATURE』と書かれた画面が映し出され、画面の下にはその記事が作られたのが2047年11月。つまりは12年前である事を示している。……だが、次の画面に移り変わった次の瞬間に思わず息を呑む事になる。
画面に映し出された1枚の写真。そこにはこの論文を書いたと思われる3人の女の姿があった。それはいい。だが、問題は……
「グレイス・オコナーだと!?」
そう、その執筆者3人で映っている写真のうち、左側にいる女は紛れも無く俺の知っているグレイス・オコナー以外の何者でもなかった。
「それだけじゃない。論文の執筆者は第117大規模調査船団プロジェクトリーダー、マオ・ノーム」
「マオ・ノーム!?」
「そう、お前も知っての通り鳥の人に出て来た本人だ」
マオ・ノーム。ゼントラーディによって地球が1度壊滅させられたというのに、生き残っていたのか? ……待て。マオ・ノームにシェリル・ノーム。となると、この一致は偶然なのか? 少し前まではマオ・ノームは地球で死んだと思っていたから、名字の一致はあくまでも偶然だと思っていた。しかしマオ・ノームが生きていて、更にそのマオ・ノームと共同研究者であったグレイス・オコナー。これを偶然の一致で片付けるには無理がありすぎる。
「そして……これだ」
呟き、カナリアがコンピュータを操作して、別の映像を映し出す。そこに映し出されていたのは、10歳前後の少女が治療を受けていると思しき映像だった。そして、その幼い少女には見覚えのある人物の面影があり、その名を口に出そうとしたその瞬間。
パキッという音が後ろから聞こえて来る。
反射的に構えながら振り向いた俺の視線の先にいたのは……
「ふっ、ふふっ……どうやらグレイスの言った事は本当だったみたいね……」
近くにある木へと寄り掛かるようにして呟くその声。それが誰なのかはすぐに分かった。何故なら、今までその人物の
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