第193話 幕開けと共に終焉、終焉と共に惨劇は訪れる
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な。」
顎に手を当てながら再び独り言のように呟いたリョウの顔がどんどん青ざめていく。
リョ「ヤベ・・急に悪寒が・・・嫌な予感がするぜ・・・」
リョウは両手で体を摩る。
そんなリョウの嫌な予感は―――――見事に的中した。
カラン、コロン、カラン、コロンという下駄の音と共に、迫力のある魔力と気配が近づいてきた。
ジュ「やっと会えましたな、リョウ殿。」
昨年も今大会も優勝候補筆頭の聖十大魔道―――――蛇姫の鱗のジュラ・ネェキスが妖精の尻尾の聖十大魔道、リョウ・ジェノロの目の前に現れた。
リョ「(どんピシャリ・・・ってやつか。)」
リョウの頬を冷や汗が伝い流れ落ちるが、その表情にはとても清々しい笑みが浮かんでいた。
ジュ「怪我の具合はどうですかな?」
リョ「あ、知ってましたか。お陰さまで、順調です。」
大嘘だ。逆に酷く悪化し始めている。
ジュ「それを聞いて安心した。」
白い着物の袖から両手を出し、ジュラはその場で身構えた。
ジュ「リョウ殿と、本気で戦う事が出来るからのう。」
凄まじく、禍々しい魔力がオーラとなって放出される。
リョウは目の前にいる“最強”に怯む事無く、肩を一度竦めると口を開いた。
リョ「悪いですがジュラさん、あなたは1つ、大きな勘違いをしていますよ。」
ジュ「む。」
音一つ立てずに、リョウは鞘から『銀覇剣』を抜いた。
リョ「俺は怪我の具合が良くても悪くても、誰が相手だろうと、強敵だろうと、最初っから本気で戦うつもりでしたから。そして今俺の目の前にいるのは―――ジュラさん、俺にとって強敵だ。」
音一つ立てずに、リョウは鞘から『天力剣』を抜いた。
リョ「そして俺達は、“聖十大魔道”という名を背負った男じゃない。強いて言えば蛇姫と妖精。強いて悪く言えば―――――」
音一つ立てずに、リョウは鞘から『嵐真剣』を抜くと口に銜え、真っ直ぐ目の前にいる人物の目を見つめた。
リョ「ただの2匹の男、ですよ。」
ジュ「良い眼だ。」
激しい攻防戦は、幕開けと共に終焉の時も近づく――――――――――。
生き残るのは誰だっ!?今、戦いの火蓋が切られた――――――――――。
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シャ「・・・ねぇ、ウェンディ、マヤ遅くないかしら?」
ウェ「そういえば、そうだね。」
切羽詰った様子でシャルルが問い、ウェンディも不安そうな顔
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