原作一巻 第0章 プロローグ
プロローグ2。都市伝説??
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一人俺だけ取り残されたかの、ように……。
何らかの映画とかでこんな状況を見た事がある。
主人公を、誰かを頼る事が出来ない状況に起き、ゆっくりと視聴者を恐怖させる演出。
もし、この状況を作り出している監督や演出家がいるのなら、大成功だ。
超常現象に巻き込まれやすい、ある程度はそんなことに慣れている俺でも、この状況は勘弁してほしい。
いろんな事を反省しているし、助けてほしいとも思っている。
後悔もしている。
ああ、こんなことならあの子から、あの携帯を受け取るんじゃなかった、とか。そもそも一人で覇美の、鬼の一味に挑むんじゃなかった、とかな。
今となってはどうしようもない出来事が、走り続ける俺の頭の中でぐるぐると回転しては、心をマイナス方面に落としていく。
何故なんだ、いったい。どうして俺がこんな目に遭わなきゃいけないんだ。
こんな状況を作り出した奴がいるなら出てこい、今すぐに。
そんな怒りと恐怖が混じった想いを胸に抱いても、一向に事態は良くはならない。
「ハァ……ハァ……ハァッ!」
走り続けて、そろそろ二十分は経過しているだろう。
俺は住宅街にある公園を突っ切って、大通りに出た。
いつもなら車の通行が激しい通りだが、今は、予想通り、車は1台も走ってないし、人の姿もまるでないゴーストタウンになっていた。
いよいよ本格的に為す術もなくなってきた、と思ったその時。
俺の、制服の胸ポケットに入れていた。最近、学校の正門前で『ヤシロ』と名乗る少女から貰った黒い携帯端末機が鳴りだした。
ピピピピピピピピッ
「くそッ!」
どんなに逃げても、どんなに走っても、この無機質な電気音は定期的に鳴り響く。
制服の胸ポケットに手を突っ込み、ハンカチに包んだ黒い携帯電話を取り出した。
それは布地越しにも解るくらい熱を発していて、不気味なモノの接近を告げるかのよつに、うっすらと赤く光っていた。
俺が昨日、ヤシロと名乗る少女(幼女)から受け取った携帯電話。(ガラケー)
何故か、同じ端末を二台渡されたがどちらも同じ機種で触った感じ、まったく同じで素人目からでは区別はつかなかった。
『Dフォン』と呼ばれるこの端末は、着信を告げる電子音と共に赤い点滅を繰り返している。
プツッ、と電話が勝手に繋がると、そこから、悪夢のような声が再生された。
『もしもし、私よ。今、公園にいるの。……どこに逃げてもムダよ……』
そしてプツッ、と一方的に切られる。
同時に、俺の後ろからはコツ、コツ、と地面を歩く足音が聞こえてきた。
本日、何度も起きてるこの現象に、俺は霹靂としていた。
正直勘弁してほしい。こちとら、元武偵とはいえ、今は一般人なただの小市民なんだから。
こんな出来事の当事者になるなんて夢にも思っていなかった。
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