ターン13 正義の闇と運命の光
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三沢であった。
だが、あのビジョンにはその横に座るあの人物はいなかったはずだ。声を掛けようとした斎王だが、その前にその人影が斎王の方を不敵な顔で向き直った。
「ほらよ、斎王様。間に合ってよかったぜ、俺の助け」
「あなたがなぜここに来ているのです?」
その質問に肩をすくめる人影の正体は、ユーノ。ある意味では、去年から続く一連の流れの全ての始まりともいえる幽霊である。そんな彼の介入に一瞬自分の洗脳が解けたことも疑ったが、すっかり光の結社に洗脳されきった彼が自発的にそうなることはあり得ない。
「別に。ちょっとした情報が手に入ったんで、気になってきてみただけですよ。そしたら案の定、斎王様が負けかかってるときたもんだ」
「何を言っているのです。私の勝利は既に運命で…………」
そう言った斎王の言葉が、床に落ちた三沢の最後の手札を見て止まる。最後の最後に三沢がモンスター・スロットの効果でドローしたカードには、こう書かれていた。
A・O・J リーサル・ウェポン
効果モンスター
星5/闇属性/機械族/攻2200/守 800
このカードが戦闘によって光属性モンスターを破壊し墓地へ送った時、
デッキからカードを1枚ドローする。
さらに、この効果でドローしたカードがレベル4以下の闇属性モンスターだった場合、
そのカードを相手に見せて特殊召喚できる。
「馬鹿な!?攻撃力2200のレベル5モンスターだと!?そんなことあるはずが………」
「そんなことあるはずがったって、引いてるんだからどうしようもないさね。清明の声にはまんまと引っかかってくれたけどな」
斎王はしばし考える。まさか三沢は、自分の見た運命を打ち破ったとでもいうのだろうか。馬鹿な話だ、最終的に自分が立っていて三沢が倒れ伏している状態でデュエルが終わっているのは確かだったではないかと自分に言い聞かせるが、それだとビジョンにはいなかった第三の存在、ユーノのことが説明できない。もしユーノがタイミングよく割り込んでくれなければ、あるいは自分は負けていたのかもしれない。
だがそれも所詮はもしもの話であり、考えても詮無いことである。
しばし黙っている斎王をよそに、なにやら自分の懐から1枚のカードを取りだすユーノ。それを空中に向かって無造作に投げつけると、彼の影から腕のようなものが伸びてそのカードを掴みとる。すると、どこからともかく感情を押し殺したかのような声が響いた。
『………すまない、三沢大地。高潔なる戦士よ。恨むならただ一人、私のみを恨むがいい………』
「おいおいチャクチャル、それじゃあまるでこっちが悪者みたいじゃないかよ。違うだろ?俺たち光の結社に逆らう奴こそが悪で、斎王様がそいつを粛清なさったんだよ」
『黙る
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