ターン13 正義の闇と運命の光
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自身しかいないのならば500ダメージ程度。1ターンに1度しか効果が使えない以上、そのドローカードが攻撃力1800以上のモンスターでなければなりませんね。もっとも、そのカードがそうではないことは既に分かっていますが」
「お得意の、運命……か………確かにこのカードは、ただの、魔法カードだが………魔法カード、モンスター・スロット………発動!」
巨大な顔を模したスロットの口が開き、3つのリールが回転を始める。そのうち左端がカタパルト・タートル、真ん中がルドラのイラストが移った面で止まった。
「モンスター、スロット………このカードは発動時に、自分の場のモンスターを選択し、それと同じ………レベルのモンスターを1体、俺の、墓地から除外する………そしてその後、カードを1枚………ドローしてそのレベルが…………2体の、モンスターと、同じならば………そのモンスターを、特殊……召喚する………」
これまで受けたダメージのせいで少しずつ意識が途切れてきて、もはや立っているのもやっとといった有様の三沢の横でぐるぐるとまわり続ける、3つ目のリール。それを不敵な目で見る斎王は、むしろ三沢に対する憐みが込み上げてきた。この若者はこれだけ運命を見せられていて、まだモンスター・スロットなどというはかない希望にすがろうとしているのか、どれだけ願おうと自分の勝利はゆるぎなく、都合よくレベル5のモンスターをドローできるはずがないのに、と。
「まあいいでしょう、どうせならたっぷりと絶望しなさい。そして運命に従うのです」
「ドロー…………ッ!」
ふらつく腕。ぼやける視界。そんな状態の中で引いたカードを確かめようとしたところで、彼の足に限界が訪れる。受け身すら取ることもできなかった彼の体がどさり、と絨毯の上に崩れ落ちる。それでも最後の力でそのカードを改めて確認しようと腕をわずかに動かし―――――
「三沢!」
「あき……ら………?」
うまく焦点の合わない目で彼が声の方へ顔を向けると、そこにはちょうど入り口のドアを蹴破って入ってきた人影が1つ。顔を見ることはできなかったが、その聞き覚えのある声は清明、遊野清明のものだ。その状態で、人影は声を張り上げる。
「もういいよ、三沢。僕のせいでそんなボロボロになって………でも、大丈夫。あとは、僕が全部始末をつけるから。今までありがとう、あとはゆっくり寝ててよ」
「俺……は………」
ポン、と背中をたたき、その人影は三沢を気遣うように声をかけていく。その言葉を聞き、三沢の中で張りつめていた糸が切れた。最後の力を振り絞るのをやめ、心地よい眠りの中に引き込まれていく。
「そう、か………よか、った………」
最後にそれだけ言い残し、完全に意識を失う三沢。斎王の見たビジョン通り、最後に倒れているのは
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