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遊戯王GX〜鉄砲水の四方山話〜
ターン13 正義の闇と運命の光
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キップする!ザ・ワールド………時よ止まれ!」

 斎王 LP1900→900

 斎王のライフが減り、その命を糧に生まれた光を操る魔法戦士と光を倒すためだけに開発された小型兵器の2体がフィールドからかき消える。瞬間、ザ・ワールド以外のあらゆるものが動きを止めた。世界から色が失われ、モノクロなフィールドの中でただ1人、ザ・ワールドのみが動くことが可能となる。
 そして、再び世界に色が戻った。

「そして時は動き出す………私のターン、ドロー。天輪の葬送士を召喚し、その召喚時効果を使用。墓地のレベル1光属性モンスター、フールを蘇生させます」

 天輪の葬送士 攻0
 アルカナフォース0−THE FOOL 攻0

 2体のモンスターの攻撃力は、ともに0。幸いにもチェンジ・デステニーの効果を受けたモンスターは場に存在する限り戦闘に参加できなくなるため、このターンのダイレクトアタックは防げたといってよい。ただ、それもいつまで続くかはわからないが。

「この2体のモンスターをコストに、再びザ・ワールドの効果を使いましょう。ザ・ワールド、時よ止まれ…………そして時は動き出す。私のターン、ドロー」
「ちっ、まさか今のターンでもザ・ワールドの効果が使えたとはな」

 悔しそうに歯噛みする三沢だが、彼にザ・ワールドの効果を防ぐ手立てはない。残り2枚の伏せカードのみで、デッキからカードをドローするチャンスすら与えられずにこのターン、あるいは下手すると次のターンを凌がねばならないことになる。

「ふふふ、精々足掻いてみなさい。私の次なるカードはアルカナフォース(ワン)THE(ザ・) MAGICIAN(マジシャン)。さあ、回転を止めなさい」
「こんなにも正位置ばかり出るなど、確率的に低すぎる!今度こそ、今度こそ逆位置を引いてみせる!ストップだ!」

 アルカナフォースI−THE MAGICIAN 攻1100

 このデュエルで三沢が止めたアルカナの回転は、計7回。そのうち全てで正位置が出る確率は、たったの128分の1である。もしここでまた正位置を出すならば、その確率はさらに半分の256分の1、とても現実的な数字ではない。
 だが、回転をやめたカードはまたしても表を向く。それを見た時の三沢の表情には教学とともに、本人もそれと気づかない程度の納得が含まれていた。理性は確率論からそれを否定していたが、心のどこかではこうなることを予感していたのだ。

「正位置を得たマジシャンで攻撃!アルカナ・マジック!」

 ゆらゆらと不気味なステップを踏む道化師の一撃。それに対し、反射的に三沢は残り2枚となった伏せカードの1つを発動させようとして、ギリギリのところで思いとどまる。なぜならそれは、正位置の効果を得たマジシャンの特殊能力である。
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