ターン13 正義の闇と運命の光
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た情報によると明日の午前11時にエド・フェニックスによる特別座談会『それはどうかな?と言えるデュエル教室〜アカデミア特別編〜』なるものが開催される、と。
「エド、かぁ」
大人しい転校生の仮面をかぶったプロデュエリスト。思えば、僕がちょうど倒れてた間にあの男のせいで十代がいなくなり、そこからどんどん事態がおかしくなっていったんだ。そう考えると、何か引っかかるものがある。エドと光の結社、思ったよりも深いところで繋がりがあるんじゃないのかな。これは、行ってみるしかないだろう。人前に出たら十中八九喧嘩を売ることにはなるだろうけど、
『それならそれで構わない。そこはもうどうしようもない。僕はおかしくなったんだもの。………だろ?』
そう、僕はもうおかしく………って、ちょっと待てや。危なかった、もう少し気を抜いてたら今の声、ここ最近毎日のように僕だけに聞こえてくるこの声のペースに乗せられるところだった。でも実際、こんなものが聞こえるってことはおかしくなったというのもあながち間違いではないのかもしれない。
難しいことはよくわからないので、とりあえず風呂に入って布団かぶって寝ることにした。天田の渡した荷物のことは、なぜだかきれいさっぱり頭から消し飛んでいた。
その頃の話。とうに消灯時間も過ぎて寝静まったホワイト寮の廊下を、音をたてないように注意しながら歩く人影が1人。誰あろう、三沢大地である。夜更けにもなって、なぜ彼は痛む体を無理に動かしてまでこんなところをこそこそと歩いているのか。
そのわけは、彼の目的地にあった。そこは、光の結社の中でも万丈目や明日香、鎧田と三沢ぐらいにしか正確な場所を知られていない位置の部屋。ホワイト寮の最上階。そこに、斎王の普段寝泊りする部屋があるのだ。
誰にも見とがめられずにその部屋の前までたどり着いた彼は、ポケットから前もって準備していた針金をドアの鍵穴に入れ………ようとしたところで、ふと思い直してドアノブをひねってみる。案の定そのドアはあっさりと開き、中には机の上でタロットを広げる斎王の後姿が見えた。
こちらの侵入には気づいていないと判断し、一瞬ためらった後するりと部屋の中に入り込む三沢。わざわざ万丈目が買ってきた分厚い絨毯のおかげで足音は完全に殺されている、と思ってのことだ。
そのまま一歩を踏み出そうとしたところで、振り返りすらもせずに斎王が口を開く。
「教皇の逆位置。これがあなたの過去の暗示」
「魔術師の逆位置。これがあなたの現在の暗示」
とっさのことに言葉に詰まる三沢を意に介さず、そのままもう1枚のカードを確認する斎王。
「そして最後の1枚、吊された男の逆位置。これがあなたの未来の暗示ですよ、三沢大地。この意味が分かりますか?」
「何?」
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