５４章 歳をとることの楽しみ、きっとある！
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５４章 歳をとることの楽しみ、きっとある！
９月１５日の月曜日、気温は２６度、曇り空である。
下北沢駅南口から歩いて３分の、ライブ・レストラン・ビートでは、
敬老の日に因んで、１３日、１４日、１５日の３日間、
チケット（ミュージック・チャージ）が無料という、
６５歳以上の観覧者を対象とする、キャンペーンを実施している。
店の、１階フロア、２階フロアの、２８０席は、満席である。
高さ ８メートルの吹き抜けのホールの、２階フロアからは、
寛いで、ステージを見おろせる。
グループで楽しめる１階のフロア席の後方には、
ひとりでも楽しめるバー・カウンターがある。
ステージは、間口、約１４メートル、奥行き、７メートル、天井高、８メートル、
舞台床高、０．８メートルである。舞台の左側に、グランド・ピアノがあった。
『敬老・特別・ライブ』の開演時刻、午後１時３０分が過ぎる。
「本日は、ライブ・レストラン・ビートに、お越しいただきまして、
誠にありがとうございま〜す！
きょうは、この３日間やってまいりました、敬老・特別・ライブの、
最終日ということで、モリカワ・ミュージックのミュージシャンの、
総力を挙げたライブを、みなさまに楽しんでいただけたらと思います！」
店長で ＭＣ（進行）の 佐野幸夫が、ステージの左袖に立って、挨拶を始める。
「まあ、歳をとるなんて、当たり前すぎることですよね。誰だって、
一日一日、一刻一刻、歳とっているわけですからね。
そんな国民の休日なんですから、みんなで歳とる、お祝いするのも
いいものですよね。まあ、イヤんなっちゃう！なんて言っても、しょうがないんですから。
楽しんで、歳とっていきたいものですよね。あっははは」
会場からも、わらい声がもれる。
「あっ、そうそう、わたしも、あしたの１６日が誕生日で、またひとつ、
歳とっちゃうんですよ！えっ、どなたか、いま、ウソだろっておっしゃいましたか？
本当なんです！わたくし、１９８２年９月１６日生まれ、あしたで、３２歳で〜す！
敬老の日の次の日が、誕生日なんていうのは、なんと言いましょうか、
だから、性格もおめでたいんでしょうかね！？あっはは。
それでは、特別・ライブ、お楽しみください！
華やかなオープニングは、いまをときめく、白石愛美！
そして、沢秀人とニュー・ドリーム・オーケストラのみなさんです！」
白石愛美は、２１歳の人気上昇中のポップス・シンガーで、
モリカワ・ミュージックの課長の森川良（３０歳）と交際していた。
ニュー・ドリーム・オーケストラの指揮をと
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