トワノクウ
第十四夜 常つ御門の崩れ落つ(一)
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「藤さんがああも狂ったのはあんたのせいでもあるんですよ」
「わた、し?」
「あたしらみたいな妖使いは妖と接しすぎることで箍が外れる。ここ数日、身崩れが進んでたあの子に一匹強いのがべったりくっつきゃ、こうなることは火を見るより明らかだ」
黒鳶はくうから離れた。
「混じり者って境遇にゃ同情する。けどあの子のことは許してやる気はさらさらねえ。せいぜい裁可が下るまで大人しくしてるこった」
くうが呆けている間に黒鳶は去ってしまった。
(くうのせい、だったの?)
くうが混じり者だから。くうが薫のそばに居続けたから。くうの妖の穢れが薫を狂わせたから。――だから、くうは薫に殺された。
全てはくうが妖になってしまったせい。
(妖は、人の、敵)
潤と薫の敵意は、だから。くうはやっと構造の根本を理解した。
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