第4話 鬼の少女、現状を把握する
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かった。
そして千鶴も上条たちに疑問をぶつけた。
「あの…それより此処は何処なんですか?私たちは確かに函館にいたのに…こんな建物は函館に無かったし、見たことありません……」
「「…………」」
上条と御坂は互いを見つめ合い、上条は頭をガシガシかきながら千鶴の疑問に答えた。
「あ〜〜…雪村って言ったか?お前の質問に答える前に俺の質問に答えてくれ」
「は、はい…」
千鶴は少し引き気味に上条の質問を聞いた。
「まず一つ。お前はその土方さんと一緒に函館で戦っていたんだな」
「はい、その通りです…」
千鶴はおずおずと答えた
「それじゃあ、今は“何年何月”だ?」
「え?今は“明治2年5月”ですよ?」
千鶴は再び『何を言っているんだ?』という表情で上条を見つめた
上条は頭を右手でガリガリ掻きながら確信を得た表情で千鶴にこう答えた
「はっきり言って答えるが、此処はお前等がいた時代より100年以上未来の世界だ。土方歳三って名前も歴史上の人物として語られたほどだ。そして此処は東京『学園都市』……雪村から見て未来の江戸の世界だ」
その言葉を聞いた瞬間、千鶴は眼を大きく見開き『え…?』と呟いた
「う…嘘ですよね?そんな、100年以上も未来なんて…」
千鶴が体が小刻みに震え、うろたえたまま目の前の現実を認められなかった。しかしそれは長く続かなかった。
ガー……
手術室の扉が開き、カエル顔の医者…冥土返しが出て来たのだ。
「ふー…手術は無事終了だよ」
上条たち3人。特に千鶴はいの一番にカエル顔の医者に詰め寄った。
「先生!あのひとは…「土方さんは……土方さんは大丈夫ですか!?」…お、おい…」
普段はおとなしい千鶴が上条を押しのけ、カエル顔の医者に詰めりよりながら土方の無事を確認した。
カエル顔の医者は落ち着いた表情でこう答えた。
「大丈夫。手術は無事成功だよ。彼の体に撃ち込まれた弾丸は全て摘出したし、ここへ来る前にしたという君の応急処置のおかげで峠は越えたよ。今は麻酔で寝かせているから、あとは眼が覚めるのを待つだけだ」
土方の無事を知った千鶴はその場で崩れ落ち、ポロポロと涙を流した。しかしそれは悲しみではなく、喜びの涙だった。
「あ、ありがとうございます!本当に…本当に、ありがとうございます!!よかった…本当によかった……土方さん…あの人まで死んでしまったら私、私…うっ…うぅっ…」
今まで何も話さなかった御坂が千鶴の傍まで近づき、声をかけた。
「よかったですね、雪村さん。私でよかったら力になるから、何でも言ってね」
「ハイ!ありがとうございます!!御坂さん!!」
千鶴は涙を流しながら
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