暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
StrikerS編
76話:模擬戦決着! 勝者は…どっち!?
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う言い切った瞬間、迫る槍を弾いた士の姿がブレた。すぐに後を追おうと顔を向けるが、その先で額の先に棍を突き立てられた。

「だから、この負けも受け入れろ。悔しさを噛みしめろ。そんで、それら全部まとめて乗り越えろ。そうすれば、お前は絶対に強くなる」
「………」
「俺はいつでも相手になる。いつでも教えてやる。だからもっと、強くなってみろ」

士はそう言って、棍を引き背中を向ける。エリオはそれを、憧れたその背中を、じっと見ていた。

悔しい、今までにないぐらい。下唇を噛み、その悔しいという気持ちを露わにする。
でもその気持ちは、自分を強くしてくれる。負けを知って、そこから色んなものを得て、自分は大きく…そして強く成長する。

そんな事を、他にも色んな事を―――これからはこの人から、教えてもらえる。

『…エリオ、戦闘不能。こっちに転移させるね』
「……はい…」

エリオの足元に魔法陣が展開され、光を放つ。その間も士は背中を向けたままで、エリオは変わらずじっと見つめていた。
だがエリオの姿が光に消える直前、エリオはある行動をした。頭を下げ、腰はほぼ九十度に曲げて。

―――ありがとうございました。これから、よろしくお願いします。

口にした言葉は聞こえなかったかもしれないが、エリオはその言葉を口にできただけで十分だった。







「さて、残るはスバルとティアナだが…」

そう呟いて周りを見渡す。しかし先程倒したスバルの姿は近くにはなく、勿論ティアナの姿も見えない。
再び気配を探る為に目を瞑る。だがすぐに目を開けて、棍を背後に向けて突き出し右手だけで振り回す。

すると背後から迫っていた魔力弾が当たり、弾け飛ぶ。それは勿論、ティアナの魔力弾だ。

「もう少し捻っていこうぜ、ティアナ。さっきと同じだし、自分の姿も見えて―――っ!?」

だがそこで言葉が詰まり、士はすぐに振り返る。それと共に持っていた棍を左へ振るう。
そのときガッという、何かが当たった音と共に、確かに物体を叩いた感触があった。

ここにスバルがいる。咄嗟に感じた気配そう確信して、士は再び右に棍を振るう。今度も命中させて、スバルの姿でも確認しようと思ってだ。

だが―――棍に何かが当たった感触は、感じられなかった。

「あ、れ…?」

思わず目を見開き、馬鹿みたいな声を出してしまう。さっきは確かに当たった。そのさっきとほぼ同じルートで振るった。その筈なのに、当たった感触がない。


……まさか、避けられた?


その一瞬の思考の後に、士の腹部に水色の魔力スフィアが突如として現れる。その先には人の手がある。
それに気づいたときには、ティアナの魔法が切れスバルの姿が露になる。

「一撃、必倒―――
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