暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
StrikerS編
76話:模擬戦決着! 勝者は…どっち!?
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スバルの脳裏に浮かんだのは、さっき自分が殴り飛ばされ、ビルの壁に激突したあのシーン。あれだけでも、自分と士との戦闘経験の差が露呈されたのは、一目瞭然だ。

それが頭を過ぎた瞬間は確かに一瞬だった。が、それだけで十分だった。スバルの動きを、少しの間硬直させる≠ノは。

「―――思考が一瞬鈍ったな」
「あっ…!」

その一瞬の迷いを、士は見逃さなかった。すぐさま士は一歩踏み込み、スバルとの距離を縮める。
慌てたスバルはもう一度気を引き締め拳を作るが、その間にもローラーは動いており、距離は縮まっていた。

そこへ士の拳が―――またも当たらずに、今度はスバルの顔の右を通る。そして両者の肘が交錯する。

「うわぁ―――うっ…!」

それでもスバルの勢いは止まらない。ローラーは止まらないまま進み、しかしスバルは士の肘で前に行くのを止められている。となれば勢いそのままに、今度は足を前にして宙に浮く。
そしてそのまま重力に逆らう事もなく、地面に背中を打ち付ける。

その時痛みで思わず目を瞑っていたが、戦闘中だと考えすぐに目を開ける。

「たぁあああっ!」
「おっと!」

そこにはストラーダを振り下ろすエリオと、それを防ぐ士が。エリオはそのまま攻撃を続け、士をスバルの近くから退かす。
スバルはゆっくりと立ち上がり、周りを見渡す。探す相手は、自らの長年のパートナー。

[スバル、聞こえる!?]
[ティア!]
[大丈夫そうね、今からそっちに行くから待ってて。それから……予定通り行くわよ]
[―――了解!]





一方その時、エリオは士相手に攻めの姿勢で戦いに臨んでいた。

「―――まぁ、いい攻撃だ。さっきよりは工夫されてる」
「くっ……ぅぉおおおお!」

しかしたった一撃、たった一回のかすりすらも、士の体に与える事はできないでいた。
顔目がけて放てば顔だけで避けられ、腹部や胸部、腕を狙えば棍で弾かれるか、避けられる。足元を狙えば飛んで避けられ、反撃もされる。

今の自分では、どうにも越えられない壁≠ェそこにはあった。

「お前はやっぱ、いい魔導士になれる。飲み込みもいいし…何よりお前の心は強い」

エリオとの攻防の最中であるにも関わらず、士はエリオにそう言い放つ。それを聞いただけでも、エリオは焦る。
届かない。全力でやっているにも関わらず。自分が目指した人が目の前にいるにも関わらず、この人にはまだ、届かない。

「それでも今のお前自身は、まだ弱い」
「っ…!!」
「でも焦るなよ、エリオ。お前はまだこれからだ。色んな物を知り、色んな事を経験し…時には壁にぶつかる事もあるだろう。だがそれを乗り越えろ。時にはお前一人で、またある時は隣にいる誰かと、チームの皆と一緒に」


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