暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
StrikerS編
76話:模擬戦決着! 勝者は…どっち!?
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の混ざった音が響き渡る。

「―――ふっ」
「な…!」

しかしその衝突は長く保たれることはなく、すぐに士がサッカーのルーレットのように動く。強烈な一撃や連撃が来ると思っていたエリオは、いきなり自分の横へ移動されて反応に遅れてしまった。
その一瞬が命取りとなる。士はエリオの首の後ろに向けて棍を振るう。






―――ガシィ!


「おっ…?」

しかし棍が当たる十数センチ前で止められた。それに驚いて目線をエリオの首元から止められた棍の先へ移す。
そこには少し息を荒げながら、リボルバーナックルで棍を掴むスバルの姿があった。ビルから抜け出したスバルが、ギリギリで到達したのだ。

スバルは棍を掴んだ手を引こうとする。だがその前に士は左足を踏み込み、何も持ってない左手で叩き落とすように棍を叩いた。そしてそれと同時に直前で逆手に持ち替えた右手で軽く弾き上げる。
すると棍はスバルの手を離れ一回転する。あっ、と驚くスバルだが、そんな暇もなく宙で一回転した棍は、再び士の右手に収まった。

「まずっ…!」
「はっ!」

自動的に引き絞られた位置にある右手を、棍と共に突き出した。スバルはすばやく動き士の突きを避け、尚且つエリオを抱えて一気に戦線を離れる。
全力で走るスバルはティアナの元へと向かった。抱えていたエリオを立たせ、ゆっくりと息を吐く。キャロもそこへやってきて、ようやくフォワード四人が集まれた。

「結構…きっつい……」
「まともな打ち合いもできませんでした……」
「いや、それができるとは思ってなかったけど…あれ程とは……」
「正直、見てるだけで凄いのがわかる程でしたね…」

ティアナは懸命に考える。ここまでの士の戦いぶり、スバルとエリオの二人との戦闘で目に見える力の差。どうすればその差を埋めて、あの人に一撃与えられるか。
しかしどうやっても、一撃与えるビジョンが浮かばない。どうすればいいのか、その方法がどうしても浮かばない。


「―――大丈夫だよ、ティア」


「え…?」

その時、ティアナの表情を見ていたスバルが前を見据えて言った。ティアナはそれに驚いてスバルを見る。

「大丈夫、なんとかなるよ」
「…一応聞くけど、その根拠は?」
「ない!」
「自身持って言うな!」

でも大丈夫、とはっきり返すスバル。

「だって、一人だったり、ティアとのコンビだったらわからないけど―――」



「今は『四人』でいるから」



「っ…!」

それは大丈夫と言える理由でも何でもない。それでも、その言葉はティアナの心に―――否、エリオのキャロの二人の心にも余裕をもたらした。

「……まったく、あんたに言われるとしっくり来ないわね…」
「酷い!?」
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