第六話 リングマ
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ないか?」
声のする下の方を見ると…
「わわわっ、フィーア様ごめんなさい!」
二人はフィーアを下敷きにしていたようだ。
転んだ時に衝撃が少なかったのもこのせいだろう。
ジトリンはすぐさまどいたがツヴァイはむしろ足を乗っけた。
「何すんだ…っ!」
今にも怒鳴りそうになっていたが、人前だからか出来ないようだ。
ツヴァイはさっきのお返しとばかりに体重をかけた。
「くっ、重いっての!どけよッ!!」
我慢できなくなったのか無理矢理体を起こしてツヴァイを突き飛ばした。
「わわっ!」
「テメェ何しやがるんだ!覚えてろよ!」
「なぁにその、悪役の負けた後みたいなセリフ!」
「……。」
急に言葉遣いが悪くなってフィーアを見てジトリンは困惑していた。
それにフィーアはしまったという表情をしていた。
「ざまぁ。」
「チッ…。もういい、おい、そこのお前。」
「あっ、はい!?」
突然強い口調で話しかけられビクッとしてしまうジトリン。
「このことは他に言うなよ。」
「えっ、あ…。」
「なーに脅してんだよ。」
開き直ってジトリンを脅すフィーアをツヴァイは睨み付けた。
これ以上言うならグレイシアで氷漬けにしてやろうと思った。
「つーか、なんで施設に入ってきてるんだよ。警備員に取っつかまるぞ。」
「わわわわっ、ごめんなさい!み、道がわからなくて…。」
「僕が道案内してるから兄貴は先に行ってろ。」
「ったく、それが兄に対する態度かよ。フュンとドライにはそんな接し方してねぇくせに。」
「フン、だったらもっと兄らしくするんだな。行こう、ジトリン。」
「う、うん…。」
怯えながらもツヴァイについていくジトリン。
ある程度施設から離れたあと、ツヴァイは振り向いて口を開いた。
「ごめん、変な兄貴で…。」
「い、いや別にいいよ…勝手に入った俺が悪いんだし。」
「あれが兄貴の本性だから学校でバラしてもいいよ。」
「そ、それはさすがに…。仮に言っても信じてもらえないよ。」
「はぁ…。それもそうだよな。…あっ、この先右に曲がれば学校あるから。」
「ありがとう、ツヴァイさん。」
そういってジトリンとは別れた…が、なんだか施設に戻る気が失せてしまった。
「兄貴とは任務やりたくないなー。ドライ兄さんだったらいいんだけど…。」
しかし行かなかったらそれを付け込んで色々言うだろうから仕方なく行くことにした。
それにサボりでもしたらフュンに迷惑をかけてしまう。
「父さんと母さんがいない分、フュン兄さんは頑張ってるんだ。」
フュンに迷惑をかけないために施設に向
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