第六話 リングマ
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やおや、こんなところに彼氏連れてきちゃダメじゃないか。」
厭味ったらしい声で近づいてくる人間にツヴァイは構えた。
「なんだよ、なんで兄貴がいるんだよ…!」
「えっ、ええっ!?」
フィーアがやってきていた。
横にいるジトリンは困惑していた。
フィーアはコーディネーターなら憧れの存在。ジュペッタだけでホウエンのコンテストを制覇している伝説の人間だ。
「ええっ!?フィーア様ってツヴァイさんのお兄さんなんですか?」
「フィーア様って…気持ち悪いなぁ。様なんかつけなくていいよ。」
「わー、本物だぁ、握手してもらってもいいですか?」
「ああ、それくらいなら。」
まさにファンと有名人状態である。
こうやって人の顔色をうかがう兄にため息を吐くツヴァイ。
「でもごめんね。私達は今仕事中だから。彼氏さんはこれ以上は進めないよ。」
「!?」
彼氏という言葉にジトリンは反応し、顔を赤くした。
一方でツヴァイは反射的に声を荒らげた。
「こいつは彼氏じゃない!勝手に何言ってるんだクソ兄貴!」
「あれー、違ったの?」
ケラケラとからかうように笑うフィーアに今にも殴り掛かりそうな形相で睨むツヴァイ。
「本当になんで兄貴がここにいるんだよ。」
「任務以外、何があるっていうんだ?」
他人がいるからか、言葉こそ汚くないがイラつく言い方であるのには変わりはない。
「ったく、兄貴と一緒に任務だなんて…。」
「早くしないと怒られるよ。」
人前ではいい兄貴を演じているのがタチが悪い。
「チッ、…わかったよ!…じゃあね、ジトリン。」
「あ、うん…。」
二人は施設に入って行こうとする。
そこでハッとジトリンは気が付いた。
迷子になったら道を聞こうと思ったのだ。
「ちょっちょっちょっ、待って!」
二人を追いかけて足を滑らせた。
一方、ツヴァイは施設に入るためにカードをタッチしていた。
するとバリケードが開きフィーアに続いて入ろうとするが足を滑らしたジトリンとぶつかってしまった。
「うっ、わああっ!」
ドーン!と二人はおもっいきりこけたが意外にも衝撃はなかった。
「いったた…おい、なんなんだよ。」
「あっ、ご、ごめんなさい。あのっ、その…道…聞きたくて。」
「えっ、あ…道?」
ツヴァイの方もまだ混乱しているようで動揺していた。
「ひっ、引っ越してきたばかりだから道に迷っちゃって…はははっ、早く伝えれば良かったね。」
「ああー、わかった。どこに行きたいの?」
「えーっと…そのぉ…。」
「…おい。」
二人の会話に割り込む何者か。しかし周りに姿はない。
「そろそろどいてくれ
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