第四話 由比大尉!正雪の方じゃないからな!!その十二
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「絶対にな」
「それこそな」
「観てろよ、正義の強さを」
「その素晴らしさを」
意気込む二人だった。
「それを教えてやる」
「勝負の場でな」
「おい、それでな」
ここで尚智は尚武に問うた。
「次の戦いの場所何処だった?」
「住吉神社だろ」
そこだと返す尚武だった。
「その境内でな」
「弓道勝負か」
「神様への神事も兼ねてな」
「勝負をするってんだな」
「ああ、向こうからネットで挑んで来たぜ」
「そうか、じゃあ住吉さん行くか」
その住吉神社のことだ。
「そしてそこでだな」
「倒してやろうぜ、由比大尉」
「神様のいる場所でな」
「そうしような」
「ニャア」
ここで彼等の周りにいる猫達のうち一匹が鳴いた、そしてだった。
丁渡二人の傍にあった雑誌、ジャスティスカイザー特集の雑誌を引っ掻きはじめた。その表紙に二人の写真がある。
その写真を引っ掻き噛みだした、そしてさらに。
他の猫達もだ、写真の二人をだった。
噛み引っ掻く、二人はその様子を観て言った。
「おい、俺達ってな」
「ああ、ひょっとしなくてもな」
「猫にも嫌われてるんだな」
「それも相当にな」
冷めた目で見つつこのことを直感したのだった。
「どうやらな」
「人間にだけじゃなかったんだ、嫌われるの」
「猫にもか」
「嫌われてるのか」
「何だよ、この攻撃の仕方」
「怨み感じるぞ」
その猫達の雑誌への攻撃がだ。
「もうボロボロじゃねえか」
「俺達この連中に何かしたか?」
「日本を守ってるだけだぞ」
「それで何で嫌われてるんだ」
「ニャニャッ」
「フギャッ」
猫達はその二人を他所に雑誌への攻撃を続ける、そして。
店のお姉さんがだ、二人にこんなことを言ってきた。
「最近ジャスティスカイザーが表紙の雑誌をお店の中に置くんですよ」
「それはどうしてですか?」
「何でなんですか?」
「猫の遊び道具とストレス解消に」
その為にというのだ。
「置いてるんですよ」
「ストレス解消って」
「それで」
「はい、猫ちゃん達もストレスが溜まりますから」
接客で、というのだ。
「そのストレス解消に」
「いや、何でジャスティスカイザーなんですか?」
「俺達じゃなかったこの二人なんですか?」
尚武は危うくジャスティスカイザーは自分達と言いそうになった。
「一体」
「それは」
「決まってるじゃないですか」
これが店員さんの返事だった、それも笑顔での。
「ジャスティスカイザーが嫌われるからですよ」
「猫にもですか」
「猫にまで」
「だって卑怯で卑劣で姑息でせこくてドスケベで」
嫌われる要素に満ちていた、確かに。
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