第四話 由比大尉!正雪の方じゃないからな!!その七
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「ではその為にもだ」
「はい、今回もですね」
「勝つんですね」
「そうだ、勝って手に入れるのだ」
その煩悩をというのだ。
「いいな」
「はい、わかりました」
「それじゃあ」
二人も熱い声で答える、声よりも下半身を熱くさせてだ。だがその二人にだ、悪田部は極めてクールな顔で突っ込みを入れた。
「君達には既にバイト料を渡してボーナスも支払っているな」
「はい、たっぷり貰ってます」
「それで色々食ってゲームソフト買ってます」
「あとモバゲも課金して遊んでます」
「豪遊してます」
「それで何故買わない」
何を買うかというと。
「女を」
「ってそれ風俗ですよね」
「そっちですよね」
「そうだ、本番のな」
実にダイレクトな言葉であった。
「それには行かないのか」
「あの、本番ってことは」
「それってつまり」
「色々とある」
その本番が出来る風俗はというのだ。
「ソープランドにホテトル、そうした雑誌で連絡をして店に行くなりホテルに入って呼ぶなりすれば誰でもだ」
「そうしたお店で、ですか」
「遊べるんですか」
「風俗もいいものだ」
悪田部はさらりと言った。
「私も時々利用している、もっともそれ以外にも遊んでいるがな」
「悪田部さんって女好きでもありますからね」
「そうした遊びもされてるんですね」
「好みはOL、女子大生だ」
そちらだというのだ。
「そして未亡人だ」
「ううん、何ていいますか」
「マスコミには注意して下さいね」
「スキャンダルは政治家にとって命取りですし」
「くれぐれも」
「ばれる様にはしていない、それにだ」
ここでプラスアルファがつくのが悪田部だ、そのプラスアルファはというと。
「探る者がいればだ」
「そうしたジャーナリストはですか」
「いればですね」
「行方不明になる」
こう表現するのだった。
「何処かにいなくなる」
「その何処かって何処ですか?」
「この世じゃないですよね」
「ノーコメントだ」
あえて答えない悪田部だった。
「そうしておく」
「もう充分わかりましたから」
「そういうことですね」
「もう何人もですか」
「悪田部さんの女性関係を探ろうとして」
「私のプライベートは秘密だ」
一切、というのだ。
「君達でもな」
「ええ、調べればですね」
「その時は」
「南港の水は冷たい」
大阪の南港である、ある筋のことで有名だ。
「そこに永遠にいたいのなら別だが」
「遠慮しときます」
「絶対に」
「俺達も南港は結構です」
「あそこにずっといるなんて」
それこそと返す二人だった、悪田部のプライベートは今も秘密のヴェールに包まれている。そうしてなのだった。
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