第1章 双子の兄妹
1-4 禁断の時
禁断の時
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ケンジは出し抜けにシーツの上に置いていたティッシュボックスから焦ったように数枚ティッシュを取り出すと、マユミに背を向けた。
「ケン兄?」
ケンジは右手をしきりに動かしていた。そして、すぐに「マユ、うっ!」と唸り声を上げて、背を丸め、身体を数回びくびくと脈動させた。
背後からその様子を見ていたマユミは、再び身体を起こした。
「ケン兄……どうしたの?」
振り向いて切なそうな目でマユミを見たケンジは、荒い息を整えながら、ゆっくりと妹の名を呼んだ。「マユ……」
「もしかして、一人で出しちゃったの?」
ケンジの手に握られていたティッシュの包みを見て、マユミは言った。「あたしとエッチするの……いやなの?」
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ケンジはそれをゴミ箱に捨て、ゆっくりとマユミに向き直った。
「マユ、今夜は一回で十分さ」
「え?」
「いわば俺、おまえに傷を負わせちまった。ケガしたすぐ後に、その傷口を刺激する事なんかできないよ。大切な妹だからな」
「ケン兄……」マユミは涙ぐんで兄を見つめた。
「その代わり」
「うん」
「明日もおまえを抱きたい。抱いてもいいか?」
「……嬉しい、ケン兄、ケン兄……」
マユミはケンジにすがりついて、本格的に泣き始めた。
「マ、マユ」ケンジはおろおろしながら、それでもマユミの身体をぎゅっと抱きしめた。
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