第一部
愛故の憎しみ
【序章】
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魔導器は消滅した。
帝国とギルド、独立都市【騎士の殿堂】――三大勢力の結束によって。
必需品が効力を失った事で人々の生活水準は著しく低下する。
各々の街では連日闘争の音が渦を巻き、帝国騎士やギルド員などが奔走する事態へと発展。
この情勢を創った集団と、嘗ての始祖の隷長――精霊達は嘆いた。
こんな筈ではなかったのにと。
そんな世界の重曹達の姿を見兼ね、
魔導士らは精霊に協力を仰ぎ、研究を重ねた結果新たな策を打ち出した。
【新型魔導器】
動力は魔核ではなく精霊力を込めた不思議な結晶、精霊石に。
エアルとは異なるエネルギー、マナを消費することで世界に影響を与えずに護身術を身に付けたり、生活に役立てたり。
しかしまだ試作段階に過ぎないそれは帝国騎士やギルド、世界の護衛に飛び回る各戦士たちにのみ配給され、
その政策が新たな火種を生むことになる。
同時に、巷では奇妙な噂が流れ始めていた。
一番星の陰口を叩くと夜道で誰かに斬られてしまうのだと。
お天道様の罰が下るのだ、と――。
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