エピソード13 〜紫苑×保健室×トラウマ〜
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「せい!はぁ!とぉりゃぁ!」
紫苑は銀髪をなびかせながら、ボールを相手のコートへと打ち返す。
現在、紫苑達、一年生は体育の授業でテニスの真最中である。
なぜ、デュエルアカデミアなのに体育の授業が組み込まれているかというと
創立者曰く『健全なデュエリストの精神は健全な肉体に宿る!』だそうだ。
何かと運動神経のいい紫苑は人物よりも体格がふたまわり上の相手に優勢である。まぁ、紫苑が女子みたいな体格のせいなのだが…
「「「あ!?危ない!!」」」
周りの生徒が叫ぶが試合に集中していた紫苑は反応が遅れ、隣のコートから飛来したボールが側頭部を急襲する。
ゴン!!という音をたてて、バタンキューとコートへと倒れこむ
『相手の頭へ、しゅぅぅぅぅぅぅと!!超!エキサイティング!』
天の声(作者)を聴きながら視界が暗転する。
絶対犯人突き止めて吊るしてやる!!
気絶した紫苑は割と物騒なことを思っていた。
一方、ぶつけた犯人ーーー丸藤翔はものすごく悪寒を感じ身を震わせた。
どうしてこうなったかというと対戦相手の十代がテニプリの波動球並の剛速球を放ち、それを翔はフレームで弾いてしまい、角度が90度変わり、紫苑の側頭部を急襲したのだった。
その後、十代が気を失った紫苑を抱きかかえて急いで保健室へと向かったのだった。
尚、腐女子たちは十代×紫苑よ!!とか言ってあらぬ妄想を繰り広げたとか…
◆
「知らない天井だ…っ、痛…」
目を覚ました紫苑は早速お決まりのボケをかます。だが、今だ残る鈍痛に顔をしかめる。
「あら、もう目を覚ましたのね。ざんね、じゃなかったよかったわ。」
目を覚ました紫苑に声をかけたのはこの学校の保険医ーー桜井京子先生だった。彼女は見た目、20代くらいの若い先生で茶色っぽいセミロングと澄んだ黒色の瞳は大学生のように見える。
どうやら今自分が居るのは保健室で寝かされているのはそこのベットの上だろう。
「友達に感謝ね。十代君だったかしら?あの美味し……もとい活発な子に」
「お、美味し?」
「あら、あなたをお姫様抱っこで抱えてきたのよ。腐がつく女の子たちなら歓喜しそうな光景だったわよ。まぁ、私にそっちのけはないけど」
ずいっと顔を近づけてくる京子先生。美人とここまで距離が近くなれば心臓がドキドキと高鳴るはずなのだが紫苑は昔感じたことのあるような寒気を感じた。
実際それは悪寒というやつだが、悲しいかな。紫苑はその事が分かるはずなのだが、昔起こったトラウマを忘れるため、その記憶を深層意識のさらに奥へと封印し、それが悪い事が起きる予兆だと気づけなかったのだ。
そして、ニタリと笑う京子先生。
その
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