SAO編?―アインクラッド―
第一章―剣の世界―
第8話?裏の事情
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そんな気持ち良く笑われても全くこっちは全然笑えないのだが。
「βテスターってことは誰かがバラしたり自分で言わなかったら誰にも判らないダロ?」
「……そうだな、それのおかげで俺は助かっているんだが」
「けれど、とあるβテスターが何故か君をβテスターだと知り、それを周りにバラそうとしているわけダ。これがオイラの言いたかったことだヨ」
「……そうか」
?普段以上に素っ気ない返事になってしまったのは多分考え事と同時進行だったからだろう。
?俺がいつ、どこでそいつにβテスターだと知られたのかも気になるが、他にも気になることがある。
「……アルゴ、さっきからずっと『とあるβテスター』と言っているが、そいつは……誰なんだ?」
?アルゴの話を聞いていてずっと疑問に思っていたことだ。意図的に隠しているのか、それとも――
「すまないナ、それがわからないんだヨ。今調べてる途中なんだけど、さっぱりダナ。判ってるのは向こうもβテスターということだけなんダ」
「……そうか、わかった」
?相手もβテスターだということは当然《鼠のアルゴ》の存在も知っているだろう。ならば、鼠への対策もバッチリだということか。
「というか、俺の方もすまないな。俺が知らない間にも俺のために情報を集めてくれて」
?そう言うと、アルゴは少しだけポカーンとしたあと、βテストの時と同じ見慣れたふてぶてしい表情になって言った。
「β時代で色々とお世話になったからナ。これぐらいはするサ!?でも、勘違いするなヨ。今回は特別なんだからナ。次回からはちゃんと有料だゾ!」
「……わかってるよ」
?キッチリとしてるな、なんて思いながら俺は口の端を持ち上げた。アルゴは「あっ、そーダ」とつぶやいたあと、
「そういえば、コウちゃんはこの本持ってるカ?」
?と言って単行本ぐらいの大きさの本を俺に見せてきた。その本の表紙には、アニメや漫画に出てくる鼠のような丸い耳と左右三本ずつあるヒゲが描かれていた――多分《鼠のアルゴ》がこの本を作ったという印なのだろう。
「……ああ、持ってる。いろんな街の道具屋に置いてあったからな。ありがたく貰ったよ。正直、これのおかげで見落としていた村やクエストにも行くことができた。それに、その本のおかげで他のプレイヤーが死ぬ確率もある程度は少なくなったんじゃないか?」
「どうだろうナ。出来上がって各場所に設置したのはほんの少し前のことだし、全員が持っているというわけではないだろうしナー」
?……これがアルゴなりの責任の取り方なんだろうな、なんて思いながら巻き毛を片手でクルクルしている目の前にいる情報屋を見ていた。
「じゃあ、コウちゃんにはこれからもお世話になるだろうからフレンド登録しとこうヨ。お互い損はな
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