暁 〜小説投稿サイト〜
一人のカタナ使い
SAO編?―アインクラッド―
第一章―剣の世界―
第5話?森の秘薬V
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ずそうしておこう。
?一気にネペント集団の元に到着し、近くにいた一体の弱点に向かって思いっきり上段から斜めに斬りつける。悲鳴のような声を上げるが、スルーし(華麗にかどうかはわからないが)再度同じ位置を今度は下から斬り上げた。レベルが上がっていることもあり、この二撃で勝負はついた。ネペントの体が青く染まり、砕け散る。
?コウの方を見ると、相変わらずの的確な攻撃を繰り出して敵を圧倒していた。ていうか、二体同時に倒していた。それを見て少しだけ驚く。……僕にもできるかな?

「僕も頑張らないと……っ!」

?二体目も同じ要領で倒したところで、ようやくこの集団の中心で襲われている人が見えた――やっぱり予想通りカイだった。

「カイ!!」

?目の前にいるいつも(良い笑いかどうかは別として)笑っている幼馴染みは、今は少し困ったような顔をしていた。
?僕の声が聞こえたらしく、こっちを振り向く。

「おぉう、ユウお久し振り〜」?

?少し引きつった笑みをしているが、ブレない口調だった。……お前、もう少し慌てろよ。

「……久しぶりって言っても別れてから一時間程度しか経ってないぞ」

?カイの言葉にツッコミをしながら僕とは別の方向からカイの元にコウが現れた。ちなみに僕はまだ二人の元へたどり着いてない。

「……全く、めんどくさいことしやがって」
「わりぃな、こうすればすぐに《花付き》が出ると思ったんだよ」

?カイらしい大雑把で大胆なアイデアだった。まぁ、それのせいで今こんな状況になってるんだけど。この状況に対する僕の意見は全くもってコウの意見と同じだ。
?ていうか、ネペントと戦いながらこんな会話をしているんだから流石と言わざるを得ない。コウはともかく、カイも戦闘に慣れている。

「それより、カイ、HP大丈夫なのか?」

?そう言いながら僕も二人の元へ遅まきながら到着する。
?僕たちはパーティーを組んでいないのでお互いのHP残量を確認することができない。僕はまだ八割残っていてまだグリーンで余裕があるが、ここでずっと一人でネペントの大群を相手にしていたカイはどうだろうか?
?でも、あれだけ余裕っぽそうな感じなら案外大丈夫なのかも。
?なんて思っていたら―――

「あっはっは、全然大丈夫じゃない」

?大丈夫っぽく笑いながら、大丈夫じゃないことを知らされた。コウもため息ついてるぞ。

「お前ぇ!?笑い事じゃないだろ!」
「そだね」
「そだね、じゃねぇ!?今どれぐらいだ?」

?僕にそう言われて、カイはネペントと戦いながらちらっと斜め上を見た。

「うーんとね、三割ぐらいかな」
「今すぐ回復しろ!」
「……俺たちがこいつらの相手しとくから……って言いたいがここじゃあ回復できないな」


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