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一人のカタナ使い
SAO編?―アインクラッド―
第一章―剣の世界―
第4話?森の秘薬U
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エストは俺にメリットがない。メリットがないどころかまず俺はこのクエストを受注していない。二人には手伝うなんてこと言ったが、一人だけここでぼーっとしてても別に問題はないだろう。

「――でも、それじゃあつまんねーよな」

?ニッと口角を上げ、右手に持っている両手槍の刀身の部分とは逆の方の先端――石突(いしつき)というらしい――を地面に打ちつける。
?いつかこのゲーム(SAO)はクリアされる。それならば、自分がここでやりたいことをやってやってやり尽くす。思い残すことがないように。
?
?正直、俺ことカイ、もとい西村海斗はSAOに閉じ込められてしまったとき、そこまでショックは受けなかった。
?俺からしたらゲームから出るのが数時間後かいつの日かの違いだった。もともと楽しむために買ったんだし、どうせ出られないならこのゲーム本来の遊び方をした方がいいと思い、俺は《はじまりの街》を出た。
?ユウとコウはどう思って攻略に臨んだのかは知らないが、絶対に俺とは違う理由だろう――むしろ俺のような理由の人が少ないはずだ、絶対に。

?でも、今までゲームのキャラクターしか使えなかった武器が自分で持って使えるなんて、これはやるしかないって思うのではないのだろうか?少なくとも俺ならそう思うけど……。
?多分、こんな状況にならなかったらみんなもそう思ったに違いない。というかそれが理由でSAOを買った人がほとんどだろう。
?まぁ、好奇心よりも自分の生命の方が大事だから《はじまりの街》に籠るのも解らないわけではない。
?それに死んでも大丈夫な本来の状況とゲームオーバーは本当の死を意味する今の状況とでは、例え昨日練習として戦った他のゲームではスライム相当レベルである青イノシシ――正式名称《フレンジーボア》――ですらも見方が変わってくるだろう。
?だが、俺から言わせれば危険にならないように慎重に行動すればいいだけだし、いざとなったら逃げればいい。

?そんな考えと同時に別の考えも俺の頭にはあった。
?その考えとは、

?――あぁ、多分絶対に俺死ぬな。

?というものだ。
?もちろん、俺に死ぬつもりはない。だが、これだけ舐めて今のSAOに関わっていたら多分死ぬだろう。
?そうわかっているのに俺は変わらない――変わるつもりがない。『馬鹿は死なないとわからない』と言うけど、それは俺自身のことかもしれないな。

「まぁ、死ぬ前に馬鹿じゃなくなればいいだけだし、何より今は二人のクエストのお手伝いだ」

?なんて馬鹿みたいなことを呟く。
?……一人だから誰もツッコんでくれない。
?まぁ、手伝うって言ったんだから約束通り手伝わないとな。それに経験値もたっぷり手に入れられるせっかくの機会だ――逃したくない。まさに一石二鳥。?

「じゃあ、いっち
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