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魔法少女リリカルなのは平凡な日常を望む転生者 STS編
第57話 追い詰められる戦場
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「それがブラックサレナを元に作ったデバイス?」
「ああ。これが私専用に作った最高傑作だ。オリジナルよりも高性能だよ?」
「だけどあなたが戦いが得意とは思わなかったわ」
「苦手だよ。でもボロボロの彼に対しては良いハンデだろ?」
笑いながら答えるクレインにホムラは特に何も言わずに刀を構える。
「………まあいいわ、私も行くわ。彼女達の絶望した顔が楽しみだわ」
「ホムラ君、本当に有栖零治は消えたのかい?」
「ええ、彼は佐藤孝介の時の大きなトラウマ、………それも死を体験した事で今まで操って来た者達と比べても類を見ないほど、精神が消えたわ。もうこの体は私の物よ」
「佐藤孝介………か」
「何か引っかかる事でも?」
「………ああ、だけどそれが何かは分からない。くれぐれも油断しない様に頼むよ。今のエンジェルソングは君が稼働させた事で停止も君によって行われる。もし君が破壊されればエンジェルソングは止まってしまうんだからね」
「分かってるわ、安心しなさい。負ける事は無いわ」
そう言い歩き出すホムラ。
「あなたこそ世界が終わる前にバルトマンに負けないでね」
「ああ、分かってるさ」
そう答えたクレインもホムラとは違う出口へと歩き出したのだった………
「はぁ………はぁ………」
壁伝いにゆりかごの中を歩くバルトマン。
怪我は加奈のお蔭で死に至るものは無くなったとはいえ、安静にしてなくてはいけない状態なのだが、それでも歩みを止める事なく、一歩一歩進む。
「カリム………」
バルトマンはここへ来る前のカリムとの約束を思い出していた………
『………』
『何処に行くのバルト………?』
静かに出ていこうとしたバルトにカリムは声を掛けた。
『………クレインから直々に招待された。奴との因縁も今回の事態も全てケリを付ける』
『その体で………?』
『ああ。止めても力ずくで行かせてもらう』
そう言うバルトマンに対し、近づくカリム。
『おい、聞いてるのか!?』
『………止めないわ。私が泣いて止めてもあなたは行くでしょ?………だから』
そう言ってバルトの手に小さなブローチを渡した。
『これは確か………』
『ログスバインの家紋です。そして新しいデバイス、グローリアです。………バルト・ログスバイン、あなたに命じます。今回の騒動、ゆりかごとそれを動かすクレイン・アルゲイルを止めなさい』
『カリム、お前………』
『そしてこれを………』
そう言ってバルトマンの首に自分のネックレスを着けた。
『おい………』
『これはお父様に誕生日に貰ったネックレス。貴方のお守り代わりに渡しま
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