夫になった訳だが……どうしよう?
47話
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きに勘付いた共通点としてどこも僻地だということだ。
「砂漠に雪山、絶海の孤島と……人どころかアラガミも寄り付きそうに……ん?」
そこまで言って非常に嫌な未来が見えたぞ?なんだろうトラウマめいたものが軽く蘇ってくるな……この世界で人もアラガミもいない僻地と言えば一つしか浮かばない。
「ふっふー正解だよ」
「……マジで?」
「明日からキュウビ狩りに行くよ!!」
いやいや、待ってくれ。なんで自分からそんなヤバいアラガミに突っ込むんだ?
キュウビに関して俺達二人で負けるとは思えないが、こっちもシャレにならん損害を覚悟して戦わなければならない。それい俺達にとってそこまでする理由が浮かばないんだが?
「あっれー?何でもするって言ったんじゃないの?」
「そこに嘘は無いが、せめてキュウビを探す理由くらい聞かせてくれ」
俺がそう聞くとイザナミが非常に意地の悪い笑みを浮かべながら俺に近付いてきた。そして、腕を俺の首の後ろに絡ませて俺の顔を引き寄せる。
……なんというか、イザナミは普段からこういう事はしないのでそのギャップで動揺してしまう。
そんな事を考えている間にもイザナミどんどん体を俺に密着させる。どうにも俺が抵抗できないのはイザナミの力がどうのではなく、精神的な問題に依るところが多いのだろう。
そして、イザナミが俺の耳元に顔を近付けてぼそりと呟いた。
「子供が欲しいから」
「はぁ!?」
これは俺の思考がおかしいのか、それともイザナミがおかしくなったのかどちらかと信じたいが……イザナミの横顔は楽しそうではあってもふざけている様子はない。
「いやいや、じゃあ俺がおかしいのか!?」
「あはは、大丈夫大丈夫マキナは普通だよ。ちょっと説明不足っていうか認識不足って言うべきかな?あのさ、マキナはアラガミがどうやって増えるかは知ってるよね?」
「あ、ああ、そりゃ種族によるが基本は無性生殖だから分裂とかが主だよな?」
「その通り、けどそれでできるのはもう一人の私ができるだけ。私が欲しいのは私とマキナの子供なの。それに必要なのがキュウビのレトロオラクル細胞なんだ」
レトロオラクル細胞……通常のオラクル細胞はそれの環境、用途の機能に特化して進化するが、レトロオラクル細胞はあらゆる環境に対して瞬時に対応できる事に特化したオラクル細胞のことだ。
ただ、その細胞を持つのは外界と隔絶された場所にのみ生息するキュウビのみで、そうそう手に入れる事の出来ない貴重な物だ。
「しかし、なんでも子供とオラクル細胞が関係するんだ?」
「うーん、それはちょっと時間がかかるから移動しながらにしようよ。さ、今から荷造りだよ!!」
という訳で、イザナミに押される形で次の日の朝に極東支部を出ることになった。
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