初年度
学園編
TURN-02『デュエルアカデミア』
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は早くも地獄の作業を終えた。
元々整理していた事もあって、1回目ほど時間は掛からなかった。
それでも疲れる事に変わりはないが‥‥。
「歓迎会までまだ時間あるな‥‥。今度こそ寛ぐか‥‥」
歓迎会というのは、文字通り各寮で行われる新入生歓迎のパーティーのことである。
これも俺がイエロー寮でよかったと思う要因だ。
この寮の歓迎会は普通より少し豪華な会食といったところ。
歓迎会なんてそれで十分だと思うが、他の寮──特にブルー寮──に関しては当然そんなモノではない。
レッド寮のソレは普通以下の質素すぎる夕飯といった感じ。
育ち盛りな世代としては物足りないが、まあまだマシだ。
ブルー寮のソレは‥‥最早歓迎会ではない、社交界≠セ。
寮と言い食事と言い‥‥規模が馬鹿げているよ、ホント。
各寮の歓迎会の描写を思い出しながら、俺は再びベッドに背を預け、心身を癒そうとする。
その時、ふと、何を思ったのかある考えが浮かんだ。
「そう言えば‥‥俺、お前の事なんて呼べばいいと思う?」
《いきなりどうしたんですか?》
「いや、普通にカード名で呼んでもいいだけどさ‥‥なんかちょっと長いだろ? だったらこう‥‥愛称的なモノがあってもいいんじゃねーかな?って思ったんだよ。ヨハンのルビー≠ンたいにさ」
《うーん‥‥私としては普通に呼んでもらってもいいんですけど、そうですね‥‥》
少女は少し思案した後、俺の方を向いて言う。
《それじゃあ、マスターが愛称考えてくださいよ!》
「俺が? いいのか?」
《はい!》
少女は満面の笑みで答える。
俺が考える愛称に期待しているのかも‥‥。
うーん、どうすっかなぁ‥‥。
暫く考え込み、俺はその愛称を口にした。
「それじゃあ、『ヴェール』ってのはどうだ?」
《ヴェール、ですか?》
「ああ。元のカード名を少しモジッてヴェール。どうだ?」
俺は少女に感想を求める。
対する少女の返しは、
《うーん‥‥まあ、及第点ってトコですね》
──及第点かよ!? くっそぉ、なんかムカツク‥‥。
そんな俺の心中察したのか、少女が笑みを浮かべながら言葉を続ける。
《冗談ですよ冗談。マスターが真剣に考えてくれたんですから、どんな名前でも私は嬉しいです♪》
「そ、そうか?」
そこまで喜んでもらえるとは思わなかった。
それはそれで、なんだか気恥ずかしい‥‥。
「んんっ! じゃあ‥‥改めてよろしくな、ヴェール!」
《はい! マスター!》
俺は自身の精霊である『エフェクト・ヴェーラー』──ヴェールと拳を合わせた。
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