初年度
学園編
TURN-02『デュエルアカデミア』
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次第に気持ちが楽になり、不安も忘れて友人たちとの会話を楽しむことに勤しんだっけ。
そして日本を飛び立っておよそ13時間、流石に疲れていた自分の耳に、間もなくイギリスのヒースロー空港に到着するという機内アナウンスが聞こえてきた。
やっとか≠ニ息をつき、アナウンスに従ってシートベルトを締め、席でジッとしていると、その瞬間は訪れた。
着陸のために飛行機が高度を下げ始めた途端、猛烈な吐き気に襲われたのだ。
思わず前の座席の頭を掴んで顔を伏せ、まるで飛行機が墜落するかのようなポーズを取ってしまった。
周りの友人たちが心配して声を掛けてくれたらしいが、その時の俺にはそんな声を聞く余裕はなかっただろう。
現にそのことは後で友人たち自身に聞いて知ったくらいだ。
その後の修学旅行は楽しかったが、これだけはホントに最悪の経験だったな‥‥。
この経験を通して俺が学んだのは、俺に飛行機は無理≠ニいうことだ。
修学旅行中のどんな楽しい思い出よりも強く心に残るくらい、二度と飛行機になど乗らないと誓ったのを覚えている。
‥‥まあ帰りも飛行機に乗って同じ経験をしたのだけれど。
また話が盛大に脱線しそうなので、再び閑話休題──
「今度こそホントに、二度と空を飛ぶモンには乗らねぇ‥‥」
こういうことはフラグになりそうであまり言いたくはないが、言わずにはいられない。
それだけこの酔い≠ノは勘弁してもらいたいのだ。
俺はしっかりと大地を踏み締め、数回ほど深呼吸をして気分を落ち着かせる。
その間にも生徒の誘導が始まっており、少々遅れながらもそれに従って校舎へと移動することとなった。
こうして俺は、改めてデュエルアカデミア≠ヨと足を踏み入れたのだった。
アカデミアの入学式を終えた俺は、晴れてデュエルアカデミアの生徒となった。
俺の所属は『ラーイエロー』。
所属とは、デュエルアカデミアにおいてのクラス分けのような物で、この学園には3つの所属があり、それぞれ別の色の制服を着用する。
赤い制服の『オシリスレッド』、黄色い制服の『ラーイエロー』、青い制服の『オベリスクブルー』の3つがそれだ。
ただし、所属するクラスは、それを受験前に志願したりするのではなく、完全な入試の成績によるクラス分けになっている。
いわゆる習熟度別学習制度というやつだ。
高等部受験者の中で、成績優秀者はラーイエロー、それ以外はオシリスレッドにそれぞれ振り分けられる。
もう1つのオベリスクブルーに配属されるのは、中等部から進学のエリートたち及び高等部受験の女子のみである。
そんなオベリスクブルー──通称ブルー寮の生徒たちは、一部の例外を除いてとにかくエリート思考が高く、
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