第3章 聖剣の影で蠢くもの
第31話 結婚しよ
[4/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
復讐こそがボクの存在理由なのだ。
これだけは、誰が否定しようとも変わらない事実だった。
「あ、やっと来たわね」
しばらくジャンヌと雑談していると、彼女が気配に気づいて声をかける。
そちらを見やると中国風の衣装に身を包んだ青年がいた。
あふれでる覇気は、見るものを圧倒するかのようである。
一目見て、カリスマだとわかる。
なるほど、確かに彼はトップに相応しいといえよう。
そんな風に、彼を心中で高く評価していると、なぜか、近づいてきた曹操はこちらを見て固まっていた。
はて、何か問題でもあったのだろうか。
しばらくお互いが沈黙したあと――
「好きだ!結婚してくれ!!」
――第一声がそれだった。
好感度が急落した瞬間である。
は?と間抜けな声を出してフリーズした。
え、何かのどっきり?はたまた、曹操の策略か!?おのれディケイド!といろいろな考えをめぐらす。
周囲を見渡すと、皆ボクと同じように凍り付いていた。
ジャンヌたち英雄派の面々に至っては、驚愕しすぎて顎が外れそうになっている。
ふむ、彼女たちの反応をみると、この曹操の発言は、彼女らにとっても予想外らしい。
つまり、普段の曹操らしからぬ反応ということだ。
どう対応すべきが、誰もが決めかねている。
視線はボクの方を向き、固唾をのんで、ボクを伺っていた。
まあ、言われたのは、ボクなんだから、返答をしないといけないからね。
正直、気は進まないが、目の前にはボクの言葉を待っている曹操がいる。
「返答する前に、理由を聞いてもいいかな?」
「一目ぼれだ。はやてを見て一瞬で恋に落ちた。この出会いは運命だ。結婚は確かに、時期尚早だったかもしれない。俺と付き合ってほしい!後悔はさせない。はやての望みなら最優先で叶えよう。金か?地位か?名誉か?何でもいいから、俺に言ってくれ。俺を頼ってくれ。はやての信頼を得るためにも、俺は行動で示さなければならないからな。はやてのためなら、たとえ火の中水の中だろうと喜んで行こう。君のためなら死ねる。英雄になる。これだけを考えていた俺の優先順位は、いま覆った。今この瞬間から、はやてこそが、俺の優先順位の一位となる。はやてを生涯の伴侶にしたい。この思いは本物だ。今日ここで出会えた運命に、俺は初めて感謝している。はやてのためなら英雄をやめたっていい。いや、あえて希望をいうなら、はやてと共に英雄となりたい。はやては俺が必ず守って見せる。結婚式は盛大にあげたほうがいいか?それとも身内だけの方がいいだろうか。初夜はどうしようか。はやては処女か?いや、別に処女でなくとも俺の愛は変わらないから安心してくれ。俺だって、この年まで童貞を守ってきたんだ。いまなら、はやてと出
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ