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『八神はやて』は舞い降りた
第3章 聖剣の影で蠢くもの
第31話 結婚しよ
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復讐こそがボクの存在理由なのだ。
 これだけは、誰が否定しようとも変わらない事実だった。


「あ、やっと来たわね」


 しばらくジャンヌと雑談していると、彼女が気配に気づいて声をかける。
 そちらを見やると中国風の衣装に身を包んだ青年がいた。
 あふれでる覇気は、見るものを圧倒するかのようである。
 一目見て、カリスマだとわかる。
 なるほど、確かに彼はトップに相応しいといえよう。
 そんな風に、彼を心中で高く評価していると、なぜか、近づいてきた曹操はこちらを見て固まっていた。
 はて、何か問題でもあったのだろうか。
 しばらくお互いが沈黙したあと――


「好きだ!結婚してくれ!!」


 ――第一声がそれだった。
 好感度が急落した瞬間である。


 は?と間抜けな声を出してフリーズした。
 え、何かのどっきり?はたまた、曹操の策略か!?おのれディケイド!といろいろな考えをめぐらす。
 周囲を見渡すと、皆ボクと同じように凍り付いていた。
 ジャンヌたち英雄派の面々に至っては、驚愕しすぎて顎が外れそうになっている。
 ふむ、彼女たちの反応をみると、この曹操の発言は、彼女らにとっても予想外らしい。
 つまり、普段の曹操らしからぬ反応ということだ。


 どう対応すべきが、誰もが決めかねている。
 視線はボクの方を向き、固唾をのんで、ボクを伺っていた。
 まあ、言われたのは、ボクなんだから、返答をしないといけないからね。
 正直、気は進まないが、目の前にはボクの言葉を待っている曹操がいる。


「返答する前に、理由を聞いてもいいかな?」

「一目ぼれだ。はやてを見て一瞬で恋に落ちた。この出会いは運命だ。結婚は確かに、時期尚早だったかもしれない。俺と付き合ってほしい!後悔はさせない。はやての望みなら最優先で叶えよう。金か?地位か?名誉か?何でもいいから、俺に言ってくれ。俺を頼ってくれ。はやての信頼を得るためにも、俺は行動で示さなければならないからな。はやてのためなら、たとえ火の中水の中だろうと喜んで行こう。君のためなら死ねる。英雄になる。これだけを考えていた俺の優先順位は、いま覆った。今この瞬間から、はやてこそが、俺の優先順位の一位となる。はやてを生涯の伴侶にしたい。この思いは本物だ。今日ここで出会えた運命に、俺は初めて感謝している。はやてのためなら英雄をやめたっていい。いや、あえて希望をいうなら、はやてと共に英雄となりたい。はやては俺が必ず守って見せる。結婚式は盛大にあげたほうがいいか?それとも身内だけの方がいいだろうか。初夜はどうしようか。はやては処女か?いや、別に処女でなくとも俺の愛は変わらないから安心してくれ。俺だって、この年まで童貞を守ってきたんだ。いまなら、はやてと出
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