第3章 聖剣の影で蠢くもの
第31話 結婚しよ
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ャマルがいる。参謀役、期待しているよ?」
「任せてください、はやてちゃん。たった20年足らずの若僧に、数百年の経験をもつ私が負けられないわ」
さすが、BBA頼りになるぜ、とか思っていたはやてはヴォルケンズからの冷たい視線を受け、咳をひとつして居住まいを正した。
こうして、禍の団への参加が決まったのである。
◇
家族会議を思い出しながら、本当に禍の団に参加してよかったのか、と自問自答する。
既に決めてしまったことだ。余計な雑念は足を引っ張るだけとはいえ、原作から完全離脱することに不安を覚えないでもなかった。
もっとも、まだ積極的に動くつもりはないので、しばらくは原作通りに進むだろうが。
「曹操は、もう少ししたら、来るわ。待たせて悪いわね」
案内役のジャンヌに気を使われる。
彼女は、かの英雄ジャンヌ・ダルクの魂を受け継ぐ英雄候補であり、英雄派の幹部でもある。
幹部クラスを案内に出すあたり、英雄派のボクたちに対する態度を示しているといえた。
「君たちにとって、曹操はどんな存在なんだ?」
気まぐれに問いかける。
「うーん、そうねえ。頼りになるボスって感じかしら。策謀に長けているから胡散臭く思われがちだけれど、根は仲間思いのいい奴よ」
「へえ、ジャンヌにそこまで言わせるのか。これは、会うのが楽しみになってきたよ」
彼の仲間内での評価は思いのほか高いようだ。
一応下調べはしてあったが、実際に言われると安心感が違う。
原作はどうか知らないが、曹操は、悪魔や堕天使に襲われた人々を助けたり、勧誘したりしているらしい。
神器もちが多数所属しているのも、彼に助けられたからだ。
ゆえにこそ、団結力が強く、「化け物」に対する敵意は高い。
英雄として「化け物退治」を掲げるのも、当然とったところだ。
そんな彼らを率先して引っ張る曹操は、カリスマ的リーダーとして、尊敬されているらしい。
「そういうはやてこそ、なんで禍の団に入ろうなんて思ったの?グレモリーたちと仲がいいそうじゃない」
「単純な理由だよ――復讐さ」
父がはぐれ悪魔に殺されたことを話す。
ミカエルによって両親は追放され、アザゼルによって殺され、サーゼクスに止めをさされた哀れな少女を思い出す。
身体の中に意識を向ければ、あのロストロギアがある。
無尽蔵の魔力を得た代償として、復讐にかられることになった元凶。
では、復讐を忌避しているのかといえば、そうでもない。
そもそも、この力がなければ、ボクは殺されていただろう。
殺意は確かに存在し、後押しされているに過ぎない。
端からみれば、ボクは異常なのかもしれない。
けれども、
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