第3章 聖剣の影で蠢くもの
第31話 結婚しよ
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第31話 結婚しよ
「好きだ!結婚してくれ!!」
「は?」
その瞬間、空気が凍った。
ときは少し前までさかのぼる。
◇
禍の団のアジトなう。
コカビエル戦の後、禍の団にコンタクトをとった。
ライザーとのレーティンゲームでボクたちの知名度は上がっているらしく、晴れて参加することができた。
本当は、コカビエル戦の前に参加していたのだが、原作がどう動くかわからないので、まだアジトで顔合わせはしていなかった。
顔合わせには時間がかかるそうで、今は気長に待機している。
打ち合わせは既に済んでいるので、雑談にいそしんでいた。
雑談しながら、禍の団に参加することを決めた経緯を思い出していた。
◆
場所は、八神家のリビング。
八神家全員が勢ぞろいしていた。
皆が真剣な顔をして、座っている。
「さて、禍の団に参加するか、会議をするとしようか。まず、シグナムはどう思う?」
「たしか、いくつかの派閥に分かれた、寄合所帯でしたね」
禍の団は、オーフィスを頂点にした戦争推進派のテロ組織だ。
コカビエル事件に端を発した和平への動きに対して、反発している連中である。
天使、堕天使、悪魔、人間といった種族を問わない組織である点が特徴である。
では、うまく協力し合えているのだろうか。
答えは、バラバラに動いているといっていい。
そもそもが相いれない敵同士が、集まっているのだ。
うまくいくはずがない。
それでもなんとか組織の体を成しているのは、反戦阻止という共通目的と、オーフィスを頂いているからだ。
だが、肝心のオーフィスは、別に戦争を望んでいるわけではない。
彼女の望みは、故郷――次元の狭間に居座るグレートレッドを倒すことのみ。
かの龍を倒すことで、故郷に帰り、静寂を得ることしか考えていない。
禍の団を作ったのは、グレートレッドを倒す協力者が欲しかったからだ。
トップと現場の意思統一すらできていない。
現場は現場で、協力せずに勝手に動いている。
これでうまくいくはずがない。
「正直、禍の団に所属するのは、反対です」
「手厳しいね」
シグナムは率直な意見をはやてに返した。
戦力という意味では当てにできるが、意思統一すらされていない。
烏合の衆を頼っていいのだろうか。
そんな疑問がシグナムの胸中で渦巻いていた。
「あたしも、うちらだけの方が動きやすいと思う」
ヴィータがシグナムを援護する。
八神家は強い。
はやて単体でもランキングトップ10クラスと十分戦えるはずだ。
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