9話:ハラキリシグナル 戯言遣いと妖刀「鋸」
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た!?)
ちらりと目を向けると、彼女の持つ刀の刀身はあり得ない長さだった。
さっき見たときにはあそこまでの長さは無かったはずだ。
まさか、刀身が伸びたのか!?
ぼくは全力で逃げるしか無かった。
◆
だいぶ走ったが彼女は高校生ぐらいの少女のはずなのに、まったく疲れる様子を見せていない。
ぼくは木の間に逃げたりなど姑息な真似も使ったが、そんなことをしても彼女の刀は障害物を一瞬で斬り倒してしまう。
中には結構太い木もあったはずだが、簡単に斬られて倒されてしまった。
彼女は殺し名だったのだろうか。
ぼくはいきなり何かに足をとられ、転んでしまう。見るとぼくの落としたデイパックだった。
もちろんそんな隙を彼女が見逃すはずもなく、ぼく目掛けて走ってくる。
転がっているぼくの横に立った彼女は刀を振り上げ、僕目掛けて…
降り下ろす前に刀の二本目を出して、二本の刀で×印を作った。一秒ほどした後、二本の刀は粉々に砕け散った。
まるで驚いているかのように硬直している彼女。
虚ろで赤い目はぼくのもつ大きな黒く長い銃に向けられていた。
ぼくのデイパックから覗いているのが見えて咄嗟に撃ってしまった。まるでSF漫画のようなデザインで、SF漫画のような能力の銃だった。
ぼくは立ち上がり、デイパックを抱えると片手で銃を向ける。でたらめに撃ちながら後退して逃げる。彼女は追いかけようとした瞬間、周りの土が爆発してはねあがり、彼女の視界を奪った。
怯んだ言葉が気を取り直して再び罪歌を構えると、そこに戯言遣いの姿は無かった。
◆
どうやら逃げ切れたようだ。
西東診療所の中でぼくは手に持っている銃を見た。こいつが無かったら間違いなく死んでいただろう。
デイパックの中身は斬られた拍子に食料のパンなどがいくらか落ちてしまったらしい。地図も見当たらない。参加者名簿も無いが、さっき知り合いの名前は確認した。
ここで新たに判明した持ち物は支給品の取り扱い説明書ぐらいだろう。
黒い銃はXショットガン。銃弾ではなく衝撃波を飛ばすもので射程距離はかなり長い。威力はさっき撃ったときに実践済みだ。
さっきの卵は、どうやらクリーパーという生物の卵らしい。
投げるとクリーパーが産まれる。数は三つ。うち一つは既に使ってしまった。
説明書によると、クリーパーはどうやら自爆するらしい。爆発の威力は西東診療所のような小屋は更地になり、大きな建物にもでかい穴が空くほどらしい。
流石にこれは信じがたい。
この説明書どおりなら、ぼくは誤って卵を落とし
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