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魔法科高校の有能な劣等生
過去剥奪編
少年の記憶
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法式を構築したんだ。
なら君の消えた記憶を辿り魔法式を復元出来れば記憶は元に戻る」

考えもしなかった答えが医者の口から出た。
只の変人かと思ったが撤回しよう。
少し変な医者に俺の脳内で格上げだ。

「と、言いたいけど無理だね」

「え、無理?」

「記憶を失う前の君が何系統の魔法を発動したのか解らない限り無理だね。
影君に君が女の子を助ける時、何の魔法を発動したのか聞いてみたけど返答が解らないと返ってきた」

医者は更に悩み頭を働かせる。
俺は記憶を失っているので過去を思い出す事は出来ない。
よって自分自身の記憶を復元する考えも思い付かない。

「自身の記憶をサイオン変換して魔法式に組み込む魔法なんて聞いた事も無いけど。
魔法式に記憶を組み込んだなら君の頭、脳から記憶と言う情報が抜き出されている。
でも脳から完全に記憶を取り除くのは不可能と考えて君の脳の頭の奥に記憶が、、、、、、」

途中で医者の口が止まった。

「あれ?」

動きが完全に止まっている?
俺は医者の目の前で手を振るが無視。

「考え過ぎて頭の思考回路以外の回路を全部切ってるだけだ気にするな」

「あ、影」

影は俺の頭に軽くチョップ。
そして隣に有る椅子に座り込む。

「調子はどうだ?
体調とか気分とか?」

「大丈夫だよ。
記憶以外ね」

身体の調子、気分は悪くない。
記憶を失う前の俺の気分、体調は知らないが今の俺から見たら万全だ。

「ならOK。
お前の記憶は俺が何とかしてやる気にするな」


記憶を失う前の友達 影。
記憶を失い戸惑う俺を助け面倒を見てくれている。
俺が記憶を失っていても先に進めているのは影のお蔭だ。

「お前の記憶を取り戻し風香ちゃんを助け出す」

「風香?」

「お前の婚約者」

「えええええええええええええええええ!!!!???」

こ、こ、こ、こ、婚約者!?
初耳、記憶を失っているので初耳で当然だが記憶を失う前の俺は何者なのか?
て、俺の年は何歳だ!?

「お、お、俺、何歳?」

「今は12歳だ」

思考が纏まらない。
考えが纏まらない。
記憶を失う前の俺は何者なんだ?






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