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ゾンビの世界は意外に余裕だった
7話、潜在軍事力
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を指摘した。

 この発言直後、番組は現地中継に入り、スタジオに戻ってきたら軍事評論家の姿は消えていた。テレビ局お得意の大人の対応というやつだろう。

 一方、インターネットへの投稿などでは、山田所長の奥様からの情報を裏付けるように、凶悪化した市民団体などの犯罪行為が多々報告されている。

 手に入れた戦車を使って強盗をする、凶悪な武装市民団体の姿まで動画投稿サイトに投稿されている始末だ。

 一方、俺の居る研究所は未だにゾンビを見かけない。せいぜい学生とおっさんと病人だけ。

 一応余裕綽々モードなんだが、さすがに戦車に乗った強盗がうろついているとなると、緊張感を持たざる負えない。それにライフラインが失われる可能性も出てきた。電気が無ければここも終わりだ。

 そんなわけで俺は技術系アンドロイドや汎用作業アンドロイドの稼働を急ぐことにした。そいつらと燃料があれば自家発電で当座を凌げるだろう。

 それにレグロン一体の補修くらいなら自分で出来るが、これだけ大所帯になれば補修係りがほしいところだ。

 俺は護衛をレグロン、マイルズ、キャリーだけにしぼり、C棟に向かった。

 山中研究室に入って真っ先に目にとまるアンドロイドは、多腕型の作業アンドロイドだろう。TE6シリーズと呼ばれる腕を六本持つ作業アンドロイドが山中研究室には十体ほど居た。また他にもTE2シリーズの二本腕作業アンドロイドB型十ニ体や金属マネキン型精密作業ロボットK5が二十体、狭いところの作業を得意とする超やせ型などが四体居た。

 そしてそれらを統括する技術指揮アンドロイドが、プロジェクトリーダー型のアンドロイドだ。

「チーフAか。シンプルかつエレガントなネーミングセンスだな」

 チーフAの外見はそこらへに居そうな普通のおじさんだ。それに灰色の作業服を着せているため少しばかり地味に思える。

 軍用美女アンドロイドを目指しながら、食堂のおばあちゃん型アンドロイドを提案できる柔軟な俺は、山中研究室の人々の選択を短い時間にせよ評価した。

 だがチーフAの次に稼働させたチーフアンドロイドがおんなじ顔でチーフBだと、ちょっとがっかりする。さらにその次がチーフCだったから、がっかりするどころではなく最初の感想を取り消した。俺ならせめてZとかXを選ぶが制作者を尊重して改名はしない。

 さて配置だ。チーフAはD棟の整備工場で稼働アンドロイド及びロボットの整備。チーフBは未完成のアンドロイドの組み立てや未稼働ロボットの修理。作業アンドロイドはお互いに融通させるが、優先はあくまでもチーフAの仕事にする。チーフCはとりあえず遊軍にする。

 戦闘用や医療用に比べて作業アンドロイドの稼働は楽だったため、もう一仕事をする時間的余裕はある。夕方まで眠っていたため目も覚めまくっている。

 隣の石田研究室は山中研究
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