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神に反しても
第四章
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第四章

 彼は言った。顔を少しだけあげて。
「わかりました。それではです」
「はい、それでは」
「罪を。行動に移します」
 彼は言った。確かにだ。
「そうします」
「はい、それでは」
 こうしてだった。神父はだ。
 まずはサッカーグラウンドに向かいだ。その近くにあるだ。
 花屋においてだ。あるものを頼んだのだった。
「薔薇の花束を御願いします」
「薔薇ですね?」
 花屋の若い兄ちゃんがだ。神父に問い返した。
「それをですね」
「はい、白の薔薇で御願いします」
 それをだというのだ。
「その薔薇で御願いします」
「ではその白で」
「白い薔薇はいいものですね」
 神父は思い詰めた微笑みでだ。兄ちゃんに話すのだった。
「本当に。清らかで」
「ええ、それで人気があるんですよ」
「今の私にはそぐわないですが」
 己の罪の意識を感じての言葉だった。
「ですがそれでもです」
「いやいや、神に仕えている方がそんなことを言ったら駄目ですよ」
 兄ちゃんは神父がどういった人物なのかは知らない。しかしだ。
 それでも彼のその黒い神父の服を見てだ。こう言うのだった。
「神父様がそんな」
「そう仰ってくれますか」
「そうですよ。神父様じゃないですか」
 彼が神父であるということからの言葉だった。
「それじゃあですよ」
「左様ですか」
「はい、どうぞ」
 話をしている間にもだ。兄ちゃんは花束を作っていた。
 そしてそのできた白い薔薇の花束をだ。神父に差し出すのだった。
 神父は金を払い薔薇を受け取りだった。そのうえでだ。
 グラウンドに入り観客席に座るのだった。既に周りにはだ。熱狂的なファン達で一杯だった。彼等は口々にこう言うのだった。
「今日もやってくれるだろうな」
「ああ、ヘルナンデスな」
「絶対にやってくれるよ」
「今日も無失点だ」
「無失点で抑えてくれるさ」
「絶対にな」
 ヘルナンデスの話題がだ。彼等の中でも為される。そしてだ。
 彼を専門的に応援しているサポーター達もだ。観客席にいた。
 その彼等は垂れ幕を出してだ。そして彼の背番号のユニフォームを着てだ。応援をしていた。
 その彼等もだ。こう言うのだった。
「よし、今日もな!」
「宜しく頼むぜ!」
「イタリアの守護神!」
「その実力を見せてくれよ!」
「完璧な守りをな!」
 こう話してだ。彼等も応援する。そしてだ。
 神父も観客席にいた。しかし彼は黙ってだ。そこに座っていた。
 そのうえで見守っている。ヘルナンデスをだ。その彼の目の前で遂に試合がはじまった。
 試合ではだ。いつものヘルナンデスだった。彼はこの試合でも完璧な守りを見せた。とにかく相手のシュートをだ。ことごとく防ぐのだ。
 そしてそのうえ
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