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機神呼嵐デモンベイン
第三部『TAKE ME HIGHER 〜機神咆哮ッ!ブラックロッジに反撃の狼煙だゾ!〜』
第9話「修行は用法用量守ってやりましょう」
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会社の社長を若くして任されているのである。実を言うと、もう一人彼のほかに神之介の友人が覇道に雇われているのだが、それは後の話にて・・・。
「ところでお嬢様」
「何かしら?」
「デモンベインを動かせるパイロットとその魔導書が見つかったと聞きましたが・・・」
「・・・何処でそれを聞きましたの?」
 デモンベインの話題を持ちかけられた瞬間に瑠璃の顔が少しばかり険しくなる。
「いえ、ニュースでちらりと見たのとメイドたちが噂していたのをたまたま耳にしまして。何か問題でも」
「大有りですわ。・・・無断でデモンベインを操縦するわ、お爺様のデモンベインを自分のものにするとか言い出すわ、町をめちゃくちゃにするわで大変で・・・」
 そう呟き、嫌な事を思い出したのだろうか露骨な嫌悪感をむき出しにしながら続ける。
「挙句の果てには、開き直って『魔術を知らない人間がでしゃばるな』なんて言い出して!・・・ああ、思い出すだけでむしゃくしゃしますわッ!!!」
「ご辛抱を・・・」
 声を荒げながら、叫ぶ瑠璃を風間はなだめる。ここまで彼女がかんしゃく玉を爆発させるのは始めてのことであり、内心風間本人も焦っている。
(今まで、こういったのはなかったんだけどなぁ・・・。一体誰なんだ?お嬢様をここまでイラつかせたヤツって・・・)
「全く・・・野原さんはなんであんな事を。ついこの前までは『魔術なんか係わりたくない』なんて言ってたのに・・・」
(ふーん・・・、野原ってヤツか。・・・What・・・?野原・・・だって・・・?)
 瑠璃の呟いた『野原』という単語に風間は驚愕の表情を見せる。まぁ、無理もないだろう。アーカムで、自分の友人・・・というか悪友の苗字とそっくりな苗字を聞いたのであったから。
「どうしましたの?」
「あ、いえ・・・何でもないです。では、僕はこれで」
 こちらを見る瑠璃に、風間は笑ってごまかしながら部屋を出た。
(・・・しかし、野原・・・か。昔色々あったから、その苗字を聞くとアイツのことを思い出しちゃうなぁ・・・)
 廊下を歩きながら、かつて『嵐を呼ぶ幼稚園児』と呼ばれていた自分の悪友を思い出しながら胸中で呟く。
(あの頃は色々あったもんだ。アイツの起こすトラブルに良く巻き込まれてたなぁ・・・。ジャングルに迷い込んだりもしたし・・・っと、嫌な事を思い出しちゃった。・・・ま、お嬢様が言った野原ってのは多分別人だろうな。・・・っつーかそうであって欲しいっ・・・!アイツだったとしても、アイツが起こすトラブルに巻き込まれませんようにっ・・・)
 嫌なことを思い出し深くため息をつきながら、悪友が起こすであろうトラブルに巻き込まれないことを祈る風間であった。
 ・・・だが、運命とは残酷なもので風間は後々その悪友がらみのトラブルに否応なしに巻き込まれてしまう
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