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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第442話】
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待っていた。


「い、いい、一夏。 さ、ささ、寒いのなら、て、手を、手を繋げばいい!」


 勢い強く、そう言葉を口にする篠ノ之だったが手を差し出した時点でうつ向いていた。

 そんな篠ノ之に、一夏は特に気にもせず、まるで名案と言わんばかりに篠ノ之に同意した。


「ああ、それはいいな。 んじゃ、そうしよう」


 言ってから躊躇なく篠ノ之の手を握る一夏――対して、篠ノ之は有り得ないぐらい顔を真っ赤に染め上げた。

 コーヒーショップへは寄らず、その足で地下鉄の改札口へと向かう二人――篠ノ之は狼狽しながら、手を引かれるまま一夏に連れられて改札口を抜けていった。

「……人前で手を握って出掛けるとか、良く出来るよな……。 俺は恥ずかしくて無理だ」

「そう? 美冬はお兄ちゃんなら恥ずかしくないよ、ほらっ」


 言ってから左手を握る美冬、暖かい手が冷えた俺の手を暖めていく。


「アハッ、お兄ちゃんの手、つめたーい♪」

「わっ、本当? ……えぃっ」


 未来も空いた右手を握る――その冷たさにびっくりした表情を見せたが、直ぐにいつもの笑顔になると未来は口を開いた。


「私の体温、分けてあげるね? こうすればぽかぽかしてくるでしょ?」


 両手で包むように握る未来――徐々にだが手が暖かくなっていくのを感じた。


「美冬も分けてあげるっ。 ――てか、よくよく考えると早く地下鉄に乗らないとあの二人に置いてかれちゃうね」


 その指摘を受け、俺と未来は小さく声をあげた。

 あまり待たせたらまた怒る可能性もあるため、俺と美冬、未来は慌てて地下鉄の改札口へと向かっていった。
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