第二章
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第二章
長身ですらりとしていてだ。動きもいいのだ。それがヘルナンデスなのだ。
だからだとだ。神父は話していくのだ。
「あれだけの選手ならね
「より凄くなりますか」
「ならない筈がありません。ただ」
「ただ?」
「一つ。気をつけないといけないことがあります」
恍惚とした顔からだ。真剣な顔になっての言葉だった。
「それはあります
「気をつけないこととは?」
「怪我です」
それだというのだ。
「怪我には気をつけないといけません」
「あっ、怪我ですか」
「そう、怪我が一番怖いですから」
それを言うのである。
「それで駄目になったらどうしようもありませんから」
「そうですね。それは」
「絶対に気をつけてもらわなくてはなりません」
「はい、確かに」
神父は今失言したがそれはだ。シスターは気付かなかった。そしてそのうえでだ。彼女は神父のその話を穏やかに聞いていくのだった。
シスターは気付いていなかった。彼のその想いをだ。彼がどういった風にヘルナンデスを見ているのか。そのことに気付いていなかった。
しかしだ。神父はだ。ある日だ。シスターにこんなことを漏らしてしまった。
教会の質素な礼拝堂においてだ。彼は掃除の後でだ。シスターに話したのである。
「私はです」
「神父様は?」
「罪を犯しています」
こうだ。辛い顔で言うのである。
「許されない罪をです」
「許されない罪?」
「はい、それをです」
こう言うのである。
「それを犯しています」
「罪とは」
「神に仕える者として。とりわけ許されない罪をです」
その顔でだ。彼は言っていく。
「それを犯しています」
「いえ、神父様は」
シスターは常に神父の側にいる。それならばだ。
神父のことを知っていた。他の誰よりもだ。
それでなのだった。神父はどうなのか。それを言うのだった。
「その様な方ではありません」
「そう思われますか」
「はい、こう想うのは私だけではありません」
シスターだけではないとだ。神父に話すのである。
「誰もがです」
「誰もが」
「神もです」
そのだ。絶対の存在の話も出すのだった。
「神もそうお考えでしょう」
「そうでしょうか」
「神父様程素晴しい方はおられません」
そうとまで話すのだ。黄金の十字架にいる主の前でだ。
主は神父を見ていた。その受難の中でだ。そのうえで何も語らない。しかし神父はその前でだ。シスターに対して言うのであった。
「神が見ておられるならです」
「それならば?」
「今の私は絶対に許されません」
そうだとだ。話すのである。
「私はそう考えます」
「そうでしょうか」
「はい、私はです」
また言う彼だった。
「許されない罪人です」
「で
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