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Shangri-La...
第一部 学園都市篇
断章 アカシャ年代記《Akashick-record》
??.----・error:『Nyarlathotep』U
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・》()()()()()()()()()()()()()()を、反芻して。

「あ────こうじ、起きたのね」
「あ────コウジ、起きたんだ」

 気付いたのは、二人同時だった。金紗の髪が舞い、薄赤色の星雲(ネビュラ)の瞳がこちらを見遣る。銀紗の髪が舞い、薄青色の星雲(ネビュラ)の瞳がこちらを見遣る。
 不思議と、それだけで。心が落ち着く。宇宙の原初よりの霊質(エーテル)の潮騒と共に、そのf分の1の揺らぎを含んだ声が、魂を安息に導くかのように。

『てけり・り。てけり・り?』
「………………………………」

 おまけで、血走った玉虫色の不揃いの眼球や複眼、蝸牛の角のような雲丹の刺のようなもの多数も。
 そんな怪物が原形質流動でウゾウゾと近寄ってくるのだ、実にSAN値激減な外観である。

「やぁ、二人とも。相変わらず仲良しだな」

 折角の気分が台無しだが、こう言う手合いはスルーが一番。つい、と視線を逸らして。

「『相変わらず』? ふふ、おかしなこうじね。この子は、貴方が連れてきた“ヨグ”の一部よ? そうだわ、変な形に押し籠めて酷いことしないでね。わたしの『無明の霧』の一欠片に」
「『相変わらず』? はぁ、おかしなコウジだ。この子は、君が連れてきた“ショゴス”だよ? そうだよ、変な形に押し固めて酷いことしないでよ。ワタシの『万能の細胞』の一欠片に」
『てけり・り。てけり・り!』

 すると、俄に怒られてしまう。黒衣(シャドー・マター)の少女、ぷうと頬を膨らませて。白衣(ミラー・マター)の少女、つんとそっぽを向いて。
 またもおまけで、空洞(ヴォイド・マター)の塊が沸騰するように玉虫色の泡を弾けさせている。

──何だか『賢人バルザイの偃月刀(見覚えがある形状のもの)』を再現した形を採っているが、気にしては直葬(まけ)だ。
 そう、あんな怪物……ヨグ=ソトースだったかショゴスだったか、ヨグ=ショゴスだったか何だかを手に持ったり、一体化させたりしたなんて事はあってはならない。無いもんね。

「良く分かんないけど……ゴメン、猛省した」
「分かれば良いわ。だから、これからはちゃんと可愛がってあげてね?」
「分かれば良いよ。だから、これからはちゃんと可愛がってやってよ?」
『てけり・り。てけり・り♪』

 必死にそう、否定ながら肯定して。喜ぶように擦り寄ってきた────粘塊に、何やら良く解らない粘液を塗りたくられる。
 敵対的な存在ではないみたいだが、まぁ兎も角、そんな事よりも。

──やっぱり、『もう一人』は認識してない……のか?

 それに、思い至る。この粘塊が言語を介せば、とも思ったが─
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